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病害虫対策

病害虫を未然に防ぐ方法

自然の中で野菜を育てると、どうしても虫が寄ってきてしまいます。それらが病気を運んでくることもあります。野菜づくりで完全に病虫害を排除することはできませんが、被害を最小限に食い止めることはできます。

1 密植を避ける・風通しをよくする

株間が狭く、枝や葉が密集すると、風通しが悪くなり、日当たりも悪くなります。暗くて湿気が溜まりやすくなると、害虫や病気が発生しやすくなります。

株間を十分に与えた野菜は、日当たりもよくなり、根をよく張って大きく元気に育つので、病虫害が出にくくなります。

果菜類などを育てている場合、葉が茂りすぎて株元の風通しが悪くなることで、害虫や病気が発生しやすくなります。そこで、下の方の傷んできた葉などは、こまめに摘葉しましょう。じゃまな枝葉を整理することで、風通しが良くなり、光も入るようになるので、株元から病気も発生しにくくなります。

黄ばんだ下葉などは、光合成に影響しないので、こまめにとるようにしましょう。

2 菜園全体で防虫を考える

たとえば、ベランダ菜園で、一部のコンテナに防虫ネットをかけても、他のコンテナでアブラムシなどが発生すると、すき間などから防虫ネットのあるコンテナにも虫が入ってきて、繁殖してしまいます。なので、防虫をするなら、まわり全体で虫を寄せつけない対策が大切になります。

自分の菜園だけでなく、周囲の菜園や花壇などからも害虫はやってきます。ベランダなどでは、羽のあるアブラムシはある程度ネットなどで防げますが、近隣からはってくる虫は防げません。境界付近に定期的に熱湯や木酢などを流すなどの対策で、ある程度侵入は防げます(隣人とトラブルにならないように注意しましょう)。

ベランダ菜園で防虫ネットをかける場合は、できるだけ、すべてのコンテナに防虫対策を。

3 光や色で害虫を防ぐ

アブラムシなどは反射光などキラキラ光るものを嫌うので、コンテナや支柱などに銀紙など光るものをつけると虫の害を減らせます。

アブラムシは葉の裏に多くいるので、地面にアルミホイルを敷くと効果的。

4 泥はねに注意

水やりではねた泥が野菜に付くと、病原菌に感染することがあります。野菜が小さい頃には頭から水をかけてもかまいませんが、葉菜類でない場合には、大きくなったらなるべく鉢やコンテナに直接水をやるようにします。その場合も、ジョウロのハス口を低くして行いましょう。

水やりの時は、ジョウロのハス口を下にして、低い位置から。

5 コンパニオンプランツを利用

特定の野菜やハーブ類を近くで一緒に育てることで、虫害予防、生長促進の効果があると言われています。お互いの根がからむように、なるべく近くに植え付けるのがコツです。

<コンパニオンプランツの組み合わせ例>

  • トマト+ニラ=害虫防除
  • ナス+パセリ=害虫防除
  • レタス+キャベツ=害虫防除
  • キュウリ+長ネギ=害虫防除、生育促進
  • カモミール+タマネギ、キャベツ=害虫防除
  • ナスタチウム+キャベツ、キュウリ、ナス科植物=アブラムシの天敵テントウムシを呼ぶ
  • マリーゴールド+ピーマン、キャベツ、ジャガイモ、ブロッコリー=土壌センチュウ防除、コナジラミ防除
  • ローズマリー+ニンジン、キャベツ、マメ科植物=害虫防除

※ジャガイモ+キャベツ、トマト、ピーマンなど、一緒に育てると生育が悪くなる組み合わせもあります。ご注意ください。

虫が発生した際の対策

害虫や病気は、まん延してからでは対処の仕方がありません。発見が早ければ早いほど、被害を最小限に食い止めることができます。

害虫を見つけたら、その場で捕殺しましょう。アブラムシなどは、1日放置しておくだけで、その数が何倍にも増え、手の施しようがなくなってしまいます。また、アオムシなども1匹しかいないことはまれですので、葉の裏側など、付近をよく観察して取り逃がしのないようにしましょう。虫食いの後や糞などを見つけたら、その周辺をくまなく探しましょう。

小さな虫など、直接取りにくい場合には、古くなった筆などでなで落としたあと水で流すとよいでしょう。ダニやアブラムシなどには、牛乳を薄めたものを塗りつけるか霧吹きで噴霧すると退治できます(牛乳が乾くと、虫が呼吸できなくなり死滅します)。
害虫別の見つけ方や対処法をご紹介します。

1 アブラムシ

アブラムシの見つけ方は新芽や葉が変形していることでわかります。異常な形の葉を見かけたら、その裏を確かめましょう。

変形した葉はもとにもどりませんので、葉ごと取り除いてポリ袋に入れてしっかりと密閉します。その葉だけにいるということはありえませんので、その近くの葉の裏や新芽についたアブラムシを丁寧に取りのぞきます。

新芽の時期についたアブラムシはウィルス病を伝染させますので注意が必要です。
アブラムシは野菜の新芽付近を好むので、新芽を普段よりよく観察することで発生初期に防除することができます。また、よそからはってくるアブラムシは下葉で繁殖するので、一番下の葉の裏も確認するとよいでしょう。

アブラムシによって萎縮している葉とアブラムシ

2 ダニ

ダニはアブラムシと違い羽が生えないため、常に地上付近より進入します。初期に防除するためには、地上部付近の葉の裏を確認するとよいでしょう。

ある程度増えてくると、新芽付近に移動します。ダニがついた葉はだんだん黄色く変色してくるので、葉の一部が黄色くなったものを見つけた場合には、その裏を確認します。
赤もしくは黒い小さな虫がいればそれがダニです。ダニは数が少ない場合には手でこすり取ったり、刷毛などで落としたりできますが、多い場合には牛乳を薄めたものを噴霧するか塗布することで退治できます。

大量発生すると糸を出してクモの巣のようなものをつくるので、その状態になる前に退治しましょう。

ダニのついたトマトの葉

3 イモムシ

ナス科の植物(ナス、ピーマン、トマト)、特にナスには大型の蛾の幼虫がつくことがあります。成長すると1匹で1日に枝1本ほども食べてしまうため、葉がかじられていたらイモムシを見つけて取り除きましょう。

イモムシは、葉を食べた枝ではなく、近くの他の枝にいることが多いので、食べられた枝付近を丁寧に捜すと見つかります。
手か割り箸などでつまんで袋などに入れて捨てましょう。

ナスでは急に小枝全体の葉が萎れることがあります。これは枝の内部にイモムシが入り込んで中を食べてしまうためです。枝の途中に入り込んだ穴がある場合は、それより下で枝を切り取り、枝ごと袋に入れて処分しましょう。

ヨトウムシ(ヨトウガの幼虫)の食害

4 コナジラミ

コナジラミは白い羽のある小さな虫です。トマトなどの新芽付近に多く付きます。

幼虫は新芽の少し下の葉の裏に黄色い小判状の形をしたものがよく付いています。成虫は羽が生えているため、手で取ることは難しいので、水で流し落とすとある程度退治できます。幼虫は牛乳を薄めたものなどを用いて退治します。ウイルスを伝染させるので、できる限り取り除きたい害虫です。

コナジラミの成虫と幼虫

5 アザミウマ(スリップス)

新芽付近の葉の裏や花の中にいる黄色っぽい細長い虫です。
捕まえようとすると飛び跳ねて逃げます。大発生すると芽の成長が止まってしまうので注意が必要です。

これも手で取ることが難しい害虫なので、牛乳などを使います。とくにウリ科では花に大量に付くと、果実が実らなくなることもあります。
新芽付近の葉に、イモムシが食べるようなきれいな丸い穴ではなく、破れたような穴があったら、大発生している可能性があるので注意が必要です。

アザミウマ

6 ハモグリバエ

葉っぱに不規則に蛇行した白い食害跡を残すのは、ハモグリバエの幼虫の仕業だと思われます。その成虫がコンテナの周りにいるのでしょう。

まずは、幼虫を駆除する必要があります。食害の一番先端の部分に幼虫がいるはずです。それをピンセットなどで除去しましょう。1枚の葉に2〜3個所程度の被害ならば収穫量に影響はほとんどないでしょう。それ以上の場合は、葉っぱごと処分しましょう。

ハモグリバエはキャベツ、トマト、ナス、ネギ、ホウレンソウ、レタスなどさまざまな野菜に被害を与えます。
黄色を好むため、黄色い粘着テープ(防虫シート)を設置しておくと被害を減らす効果を期待できます。

不規則に蛇行した白い食害跡

ハモグリバエの幼虫

野菜別の害虫チェックポイント

害虫を大量発生させないために、主な野菜ごとのチェックポイントをご紹介します。

1 ダイコン

ダイコンの新芽部分に黒い糞や糸、食害跡などを見つけたら、芯の中にシンクイムシがいる可能性が大きいので、爪楊枝などで取り除きましょう。

生育初期に茎の根元を食いちぎるネキリムシにも要注意。もし、食いちぎられていたら、その株から5〜10cm離れたあたりの土の中にいることが多いので、探し出して取り除きましょう。

葉に小さい穴があいていた場合にも害虫がいるので、芯もしくは葉の付け根付近をよく見て取り除きます。小さな黒い甲虫がいる場合には、丁寧に取り除かないと、ダイコンの根の部分がボロボロになる場合があります。

アオムシは葉の裏の葉脈に沿って隠れていますので、見落としに注意しましょう。

2 菜類

ダイコンの仲間なので、ダイコンとほぼ同じ害虫がつきます。ダイコンと同様の対処をしましょう。

シンクイムシ

ネキリムシ

3 トマト

生育期は雨が少なく暑い時期になるので、ダニ、アザミウマ、コナジラミなどが発生します。どれも新芽付近につくので、新芽付近の葉が変色もしくは食害を受けていたら防除します。

4 ピーマン

果実に穴があいている場合は、タバコガの幼虫が中に入り込んでいる場合があるので、果実ごと処分しましょう。
その他、枝の内部に入る虫もいますので、急に萎れた枝があった場合には侵入口を確認して、その下から取り除きます。

5 ナス

ピーマンと同様ですが、10cmを超えるライム色のイモムシがつくことがあります。その場合には一晩で一枝の葉がなくなることがあるので、食害を見つけたその枝だけでなく周辺の枝もふくめて確認します。
枝の裏側にへばりつくように隠れていたり、大きな葉の裏側にうまく隠れるので、よく確認しましょう。

6 キュウリ

アブラムシやアザミウマが主です。極端に乾燥させるとダニが発生することもあります。
若い葉が裏側を内側にして丸く縮れていれば、アブラムシがその中にいます。葉に小さな破れたような跡があればアザミウマです。葉がまだらに黄色く変色している場合はダニが発生しています。

病気にかかった葉や株の処分法

病気にかかっている葉はすぐに摘み取り、株全体が病気の場合は速やかに抜いて、他の野菜に病気がまん延しないようにしましょう。病気の原因となるものによって対応が違ってきます。主な病気の原因と、その対処法をご紹介します。

1 カビ(ウドンコ病、べと病など)

トマトやキュウリなど実の成るものは、ウドンコ病などカビによる病気が多く見られます。
地面に近い下葉から発生することが多いので、弱って色が変わってきた葉を見つけたら早くから取り除くことで、ある程度防げます。
ほとんどの場合は、葉の裏に白や灰色の病斑が見えるので、見つけたらその葉を取り除きます。全体に広がっていた場合には手遅れですので、農薬を使用するか、その株を処分する必要があります。

これらの病気は、葉が混んで通気性が悪い場合や、日が当たりにくい場合に出やすいため、葉や枝を間引くと発生しにくくなります。また、肥料が切れてくると発生しやすいので、肥料切れに注意しましょう。ウドンコ病の場合、乾燥でも蔓延しやすいので、暑い盛りに水やりを忘れないことも重要です。

カボチャに発生したウドンコ病

2 細菌(青枯病、軟腐病など)

細菌病は茎や葉が腐敗したり、葉に斑点が多く出るタイプの病気です。
雨が多い場合や通気性が悪いときに起きやすいので注意しましょう。野菜が軟弱な場合にも出やすいので、日にしっかりと当てることが重要です。

発生した場合には、できるだけ早く病気の出た葉を取り除くことが重要です。全体に発生した場合には、他の株に移さないために株ごと引き抜いてポリ袋に入れて処分しましょう。

細菌に冒されて斑点が出た様子

3 ウイルス(モザイク病)

ウイルス病は、葉や花弁に濃淡のまだら模様ができ、モザイク状に見える病気です。葉の縮れなどのさまざまな変形や、黒色の斑点などを生じたりもします。 野菜全体に病原体が入り込むため、農薬でも治すことはできません。そのため、発生した場合には株ごと早急に取り除きます。

病気にかかった植物を触った手やハサミなどからも感染するので、処理する場合には、作業の最後に取り除くか、触ったあとに石鹸で手を洗ってから他の株に触れるようにしましょう。害虫感染が多いため、害虫をなるべく早く取り除くことが重要です。

スイカに発生したウイルス病

ガーデニングのプロが教える
ワンポイント・アドバイス
住友林業緑化

ご紹介した害虫以外に、ナメクジの害もあります。農家の方は、ナメクジ退治用に気の抜けたビールとペットボトルを使ったトラップを使っていました。ペットボトルにナメクジの出入口の切れ込みを作り、ビールを入れて置いておきます。ナメクジはアルコール系の誘引作業によってペットボトルの中に集まってきます。農家の方はそこに農薬を混ぜて捕殺していましたが、ビールの中で溺れているナメクジを捕まえるだけでも効果的でしょう。

アブラムシやコナジラミ、ダニなどの害虫は、植物の汁を吸って害を及ぼすだけでなく、病気も媒介します。
これら吸汁するタイプの害虫を防ぐ手段として、植物を元気に保つことが挙げられます。栄養状態がよく元気な植物は樹液濃度が高く、浸透圧が高いため、なかなか樹液を吸えない状態になります。逆に弱った植物は樹液濃度が低くなっているため、簡単に吸うことができるので、害虫が集まりやすいのです。

適切な追肥や水やりを行い、果実を早めに収穫するなどして植物に過度なストレスをかけないことも、害虫対策の一つといえるのです。

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