芝生の張り方とメンテナンス

芝生で庭をつくるとき、種類や特徴を知って選ぶことが大切です。管理が難しそうと感じる人もいるかもしれませんが、基本知識を把握し、お手入れをしっかりすれば美しい芝生が育ちます。本記事では、芝生の種類や選び方、張り方を解説します。芝生をきれいに加工するエッジングを活用した庭づくりも紹介しますので参考にしてください。

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芝生のメリット

芝生には、自宅にいながら自然を感じられるといったメリットがあります。また、アスファルトと違い、照り返しが少ないため夏も涼しく過ごせます。

さらに、芝生は土埃が立ちにくく、雨の日はぬかるみができないため、車や靴、洗濯物が汚れにくいのも魅力の1つ。地面に比べると足腰への負担も少ないので、庭で寝転んだり遊んだりと自由に動き回れるのもメリットです。

芝生の種類と特徴

芝生は、日本芝と西洋芝の2つの種類に大きく分けられます。生育に適した気候や特徴などが違うため、芝生の種類を把握しておくことは大切です。ここでは、芝生の種類と特徴を紹介します。

暖地型の日本芝

日本芝は草丈が10センチ〜20センチと低く、地表の浅いところに対して横に広がりながら、ほふく茎を伸ばします。25度〜35度の気温で最も生育する暖地型で、高温多湿や害虫などあらゆるダメージに強いのが特徴です。

11月〜3月は休眠状態になり地上部が枯れてしまうため、芝生の状態によってはサッチ取りやエアレーション、目土(めつち)を行う必要があるでしょう。冬は一面茶色になりますが、春になるとまた生長し始めます。

日本芝の代表的な品種は、高麗芝やノシバ、姫高麗芝などがあります。

寒地型の西洋芝

西洋芝は、海外から輸入された芝生の一種。濃い鮮やかな葉色が特徴で、ゴルフ場の芝などによく利用されています。15度〜25度が生育適温の寒地型なので、北海道や東北などの寒い地域で育てるのに適しています。

西洋芝は生長が早いので芝刈りの回数が多く、乾燥にも弱いため水やりが1年中必要です。管理面では少し手間がかかりますが、種から育てることができるため、初期コストは安く済むでしょう。

西洋芝の代表的な品種には、ケンタッキーブルーグルスやベントグラス類、ライグラス類、フェスク類などがあります。

芝生の張り方

芝生の張り方には主に4種類ありますが、家庭の庭ではべた張りがおすすめです。ここでは、必要な道具や芝生の張り方を紹介します。

主な芝生の張り方と張る時期

芝生の主な張り方には以下の4種類あります。

【べた張り】

べた張りの芝生

【市松張り】

市松張りの芝生

【メジ張り】

メジ張りの芝生

【一条張り】

一条張りの芝生

一般の家庭の庭では、短期間で青々しい緑色になるべた張りが主流です。芝生を張るのは3月〜5月頃の、寒すぎず暑すぎない時期が最適でしょう。

必要な道具と芝生の張り方

【道具】

  • 芝(苗)
  • 芝生の肥料
  • 芝生の目土
  • レーキ
  • 竹ぼうき
  • 熊手

【張り方】

  1. 土壌が固い場合はレーキ・スコップなどで表層をほぐし、肥料と土を混ぜ込み生育環境を整える
  2. 芝苗を敷き詰めていき、踏みながら床土になじませる
  3. 目地部分に目土を入れてならし、芝生の凸凹を整える
  4. 目土が流れないように気を付けながら、最後にしっかりと水やりをする

芝生の基本的な育て方

芝生は刈り込みを行って育てるのが基本です。しかし、刈り込みをする前に除草をしたり、水やりをしたりと芝生が元気に育つためにはいくつかのポイントがあります。ここでは芝生の基本的な育て方を紹介します。

芝生の基本的な育て方① 雑草駆除

芝生の刈り込みをする前には、雑草を取ります。雑草は栄養を吸収し、芝生を弱らせてしまいます。多年草になると地下茎を横に張ってしまうため、掘り起こさなくてはいけないことも。そうならないためにも、雑草が大きくなる前に根元からしっかりと駆除することが大切です。芝刈りをして密度の高い芝生になれば、スペースがなくなり雑草は生えにくくなるでしょう。

芝生の基本的な育て方② 刈り込み

「刈り揃えたい長さの3倍ほどになったら」を目安に、芝生を刈り込んで丈を揃えましょう。芝生の種類や住んでいる地域によって頻度は異なりますが、定期的に刈り込みを行うと綿密な芝生になります。

4月〜9月は日本芝なら月に3回ほど、西洋芝なら週に1回が目安。広い場所は芝刈り機、狭い場所や縁石の周りは電動バリカン式芝刈り機を使うと便利です。

刈り取った芝は乾燥した後、花壇や植え込みの中に敷き込むと雑草防止や乾燥防止になります。ただし、害虫や卵の越冬場所にもなるため注意が必要です。

芝生の基本的な育て方③ 水やり

植えてから1年目の芝生は根が浅いので、乾かないよう水をあげます。ただし、地面が湿った状態が続くのはあまり良くありません。こまめに与えるのではなく、適切なタイミングでたっぷり水やりをした方が丈夫な芝になる上、病気も発生しにくいです。葉が丸まってきたら水不足の合図ですので、それを目安に水を与えましょう。

芝生の基本的なメンテナンス方法

芝生を美しく保つためには、正しくメンテナンスをすることが大切です。ここでは、目土や張り替えなどのメンテナンス方法を紹介します。しっかりメンテナンスを行い、美しい芝生を育てましょう。

メンテナンス方法① 目土

新しい芽が伸び出す直前の3月に、栄養分を含んだ土を芝生全体に対して、薄く1センチほど広げる目土を行うと、ほふく茎が伸びて葉が茂ります。こうすることで、均一に芽が伸びてくるため、美しい芝生面ができあがるでしょう。目土は、へこんでしまった部分を徐々に平らにならす効果もあります。

メンテナンス方法② 張り替え

日頃からお手入れをしていても傷んでしまう芝生は、その部分だけを張り替える必要があります。根株ごと枯れてしまったら、外周に沿ってやや広めに切れ目を入れ、固くなっている土をほぐします。

掘り上げた土は雑草や小石などを取り除き、適度な高さに戻してから踏み固めてください。

その後、元の芝生と同じ種類の芝生をベタ張りし、地面と密着するように踏み固めましょう。

新しい部分と古い部分の隙間に先ほど残った土を詰め込み、目土かけをしたらたっぷりと水やりをして完成です。

エッジングを活用したおしゃれな庭づくり

エッジングとは芝の端を樹脂や金属、レンガなどのエッジング材を用いて芝の端部を仕切ること。そうすることで、花壇やアプローチなどをつくります。ここではエッジングを活用したおしゃれな庭づくりの方法を紹介します。

花壇をつくる

芝生をエッジングし、草花を植えるとおしゃれな花壇がつくれます。エッジング材を見せずに土の中に打ち込む方法や、テラコッタやレンガなど装飾的に見せる方法もあるのでお好みで選びましょう。エッジングした花壇をつくると、芝生が他のエリアに入って行くのを防ぎやすくなり、庭にメリハリがつきます。

アプローチをつくる

おしゃれな庭づくりには、エッジングした芝生にコンクリートやレンガ、枕木などを敷き、歩道をつくるのもおすすめ。コンクリートなどのアイテムは、建物と調和したものを選ぶのがポイントです。

種類や選び方を参考に素敵な芝生のある庭をつくろう

芝生は、住んでいるエリアや生育気温に合った種類を選ぶことが重要です。またしっかりとお手入れをし、メンテナンスをすればいつまでも芝生を美しく育てられます。自然を身近に感じられたり夏は涼しく過ごせたりと、メリットがたくさんある芝生をぜひ取り入れ、素敵な庭をつくってくださいね。