ハーブの育て方、楽しみ方

ハーブは生命力が強く育てやすいので、ガーデニング初心者にもおすすめの植物です。この記事ではハーブの基礎知識から、簡単に自宅で育てられる定番ハーブを紹介。また、よりおしゃれにハーブを楽しためのコンパニオンプランツのノウハウや、育てたハーブの活用方法も提案します。

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ハーブとは

ハーブのガーデニングについて紹介する前に、ハーブの名前の由来やその定義、特徴など、ハーブに関する基礎知識を紹介します。

「暮らしの役に立つ植物」の総称

ハーブは英語ですが、語源はラテン語の「herba(ヘルバ)」で、草木を意味します。諸説ありますが、「暮らしの役に立つ香りがある植物」という意味で用いられています。

ハーブの種類は1万以上あると言われており、調理用、飲用、薬用、美容用、リラクゼーション用、クラフト用など幅広く用いられる植物です。種類によって葉、茎、つぼみ、花、根、種、実など使われる部位が異なります。特に葉、茎、花を用いるものをハーブ。根、種、実を利用するものをスパイスと呼ぶ場合もあります。

ハーブは家庭菜園におすすめの植物

おしゃれで使い勝手も良いハーブは家庭菜園するのにおすすめの植物です。コツを抑えれば初心者でも簡単に育てられます。

ハーブは丈夫で育てやすい

ハーブはとても丈夫で、一般的には難しいケアや特別な管理は不要。なぜならハーブはもともと野原や山岳地帯といった自然環境で自生していた植物だからです。多年草のものが多く、自宅の庭はもちろん、マンションのベランダでも育てられるものが多いです。

ポイントは気温・日当たり・風通し・水やり

【ハーブを育てるのに必要な4つの要素】

  1. 気温
  2. 日当たり
  3. 風通し
  4. 水やり

育てたいハーブの原産地を知り、その地の環境を意識することが丈夫に育てる近道です。例えばローズマリーの場合、地中海沿岸生まれなので地中海沿岸部の湿気の少ないからりとした気候を意識し、風通しを良くして水やりは少なめに育てます。一方、バジルなどは熱帯アジア原産のハーブで高温多湿な地域の植物なので、寒さや乾燥にに弱いことを想定して冬は室内で育てます。

初心者にオススメのハーブと育てる時期

次に、ガーデニング初心者でも簡単に育てられるハーブとその特徴、育てる時期を紹介します。ベランダでプランターを使って育てられ、使い勝手の良い定番のハーブを厳選しました。

ローズマリー

地中海沿岸原産のシソ科のハーブです。秋から春にかけて花も楽しめます。寒さ・暑さに強く育てやすいですが、プランターで育てる場合2年に1度のペースでの植え替えが必要です。
種まき:4月~5月、9月~10月、収穫:3月~11月

バジル

インド、熱帯アジア原産で、暑さに強く寒さに弱いシソ科の植物です。爽やかな香りと鮮やかなグリーンが魅力の一年草で、料理にも手軽に取り入れられる人気のハーブ。夏の日差しは葉焼けを起こすので注意が必要です。
種まき:4月~6月、収穫:7月~8月

ミント

北半球の温暖な地域やユーラシア大陸が原産の、シソ科のハーブです。ガム、お菓子、お茶など、歯磨き粉などさまざまなフレーバーとして知られています。ペパーミントやスペアミントなど種類がいくつかありますが、基本的にどれも強くて繁殖力も高いです。多年草で暑さにも寒さにも強いものが多く、水耕栽培もできるのが特徴です。
種まき:3月~6月、9月~11月、収穫:4月~10月

ラベンダー

紫の花が美しい、地中海沿岸が原産のシソ科のハーブです。鎮痛、殺菌、防虫、リラックス効果などが期待でき、ハーブティーなどの食用の他、美容や健康促進目当てのアロマなどにも使用されています。代表的な種であるイングリッシュラベンダーは寒さには強いが暑さが苦手なので、涼しい地域での栽培がおすすめです。
種まき:3月~4月、収穫:5月~7月

カモミール

地中海沿岸原産のキク科のハーブで、りんごに似た甘い香りの白い花が特徴。寒さに強く暑さに弱いです。
種まき:3月~4月、9月~10月、収穫:3月~6月

ルッコラ

地中海沿岸原産のアブラナ科の一年草ハーブです。ゴマのような風味とピリッとした辛みが特徴で、ビタミンC、ビタミンE、カルシウムを含みます。暑さに弱いですが寒さには強いハーブで、種まきの時期も収穫時期も長いのが魅力です。
種まき:4月〜7月上旬、9月〜10月、収穫:5月~12月

コンパニオンプランツでハーブをより一層楽しもう

単品で植えるよりおしゃれにハーブを楽しめるだけでなく、組み合わせ次第で一緒に植えたハーブの生育の助けになることも。上で紹介したハーブのうち、コンパニオンプランツに向くハーブと向かないハーブを紹介します。

コンパニオンプランツのコツ

生育環境が似たハーブをコンパニオンプランツにするのが鉄則です。繁殖力が強く丈夫なハーブは、同等の強さのものと組み合わせます。強さに差があると、弱い方のハーブの成長を妨げて枯れさせてしまうこともあるので注意が必要です。

コンパニオンプランツに向くハーブ・向かないハーブ

植物のお医者さんと呼ばれるカモミール(ローマンカモミール)は害虫予防の働きがあり、一緒に植えると植物を元気にしてくれます。ルッコラなどアブラナ科のハーブとの組み合わせると風味もアップします。逆に、丈夫で繁殖力にも長けたバジル・ローズマリー・ミント・ラベンダーはコンパニオンプランツに不向きなハーブです。

育てたハーブの活用方法

最後に、上記で紹介したハーブの楽しみ方を提案します。ハーブはお料理やお茶に使う他、インテリアとして取り入れることもできます。ぜひ育てたハーブを活用して、香りを楽しんでくださいね。

インテリアグリーンとして楽しむ

ドライフラワーやポプリでインテリアに活用すれば、香りを楽しみながら空間をおしゃれにできます。ラベンダーはドライフラワーにするのもおすすめです。乾燥させて、ポプリを作ることもできます。見た目も可愛く、香りによってリラックス効果や集中力を高める効果が期待できます。

中が見える瓶に入れてトイレなど臭いの気になる場所に置くと、見た目も香りも良い芳香剤に。ラベンダー、ミント、ローズマリーなどミックスしてお好みの香りのものを作るのも良いでしょう。

料理に使用する

最も定番で、幅広い使い方ができるのが調味料として使う方法です。生でも、加熱しても、乾燥させても使えます。

バジルはイタリアンのアクセントに。チーズ、トマトと合わせたり、ジェノベーゼソースにしたりして楽しみましょう。ローズマリーは肉や魚の臭い消しに使えます。ミントはデザートに添えて彩りとして重宝します。ルッコラはイタリアンやフレンチで活用でき、特にサラダ、生ハム、チーズなどとの相性が良いです。

その他、オリーブオイルにハーブを漬けて作るハーブオイルや、お酢に漬けて作るハーブヴィネガーなどもおすすめです。

ハーブティーに使用する

ハーブティーとして知られている通り、ハーブはお茶として世界中で楽しまれています。ミントやローズマリー、カモミールなどはリフレッシュ効果や抗炎症作用が期待でき、カモミールは頭痛や下痢に良いと言われています。

乾燥させたものを熱湯でお茶にする方法の他、生の葉っぱや花でフレッシュなハーブティーを作るのもおすすめです。お好みのハーブを組み合わせて楽しみましょう。

お家でハーブを育てておしゃれに活用しよう

ハーブはおしゃれで実用性が高い植物です。そのうえ育てやすいので、ガーデニング初心者にもおすすめ。お家でハーブを育てておしゃれに活用し、おうち時間をゆっくり過ごしてはいかがでしょうか。