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くださる?いただく?
意外と知らない!?
日本語のあれこれ

判断に迷う敬語の使い分け

日本語は敬語の使い方が難しいとよく言われます。仕事上、手紙やメールを送る時など基本的な尊敬語や謙譲語、丁寧語だけでなく、微妙な表現で悩むことってありませんか?

気になって調べていた中で、なるほど!と思ったものが、「恐れ入りますが」と「差し支えなければ」という言葉の使い分けです。これは相手に断る余地をどれくらい与えるかの違いとなります。「恐れ入りますが」は、へりくだってはいるが、ある程度強制力があるので、相手の断る権利が低く、「差し支えなければ」の場合は、相手は断ってもいい、すなわち相手の断る権利が高いということなのだそうです。

これらの言葉を特に意識せず、感覚的に使い分けていた方も多いのではないでしょうか。これを機会に、使い方で迷うことの多かった言葉を調べてみましたのでご紹介します。

「くださる」と「いただく」

メールや手紙では、相手の行為に対し謝辞を述べることがよくあります。いつもその文章を書きながら悩むのが「〜いただきましてありがとうございます」とするか、「〜くださいましてありがとうございます」にするか、どちらの表現を使うほうが良いのか、ということでした。調べてみたところ、「視点」の違いだそうです。

「くださる」と「いただく」は、もともと「くれる」と「もらう」の敬語です。

「くれる」は物を渡す側に視点があり、「もらう」は物を受け取る側に視点があります。したがって目上の者の行為に視点をおけば、「くださる」が使われ(尊敬語)、目下の者に視点をおけば、その人物を低める「いただく」が使われます(謙譲語)。

基本的には、どちらもほぼ同じように使える敬語だと言って問題ないとのことです(文化審議会答申「敬語の指針」より抜粋)。ただ、実際に耳にすると、「〜くださる」はより相手に対する敬意が強く、「〜いただく」は受け取る側の感謝の意がより伝わる感じがします。前後の文脈やニュアンスを踏まえて、使うようにするのがベストですね。

「〜してさしあげる」と「〜させていただく」

この表現もよく悩む言い回しのひとつです。調べたところ、同様に視点の違いとのことです。「差し上げる」は、目下の者が目上の者に「下→上」という方向でものを差し出す視点に、「いただく」は目上の者から目下の者が「上→下」という方向でものを受け取る視点になっています。

「〜してさしあげる」は自分から動いて相手に奉仕するという、相手に配慮した能動的なニュアンスを持つのに対し、「〜させていただく」は目上の相手から自分の行為に対して許可をもらうという、自分本位で受動的なニュアンスを持つとのこと。どちらも謙譲表現なので間違いとは言えないようですが、状況を見て使い分け、より日本語を美しく使えるようになりたいものです。

この単語にそんな由来が!?

いろいろ調べていく中で興味を持ったのが、単語の由来です。いくつか面白いエピソードを見つけたのでご紹介したいと思います。

無視することに使われる「シカト」という単語ですが、元は任侠用語だそうで、花札の鹿の絵がそっぽを向いていることから「鹿十」となり「シカト」になったとか。また、ぼんやりしていて物事の見通しがきかないことや人を「ボンクラ」と言いますが、これは賭場(盆)にうとい(暗い)人という意味から来ているそうです。

調べてみると、仏教用語を起源とした「金輪際」「四苦八苦」、芸能を起源とする「さわり」や「十八番」など、言葉の語源は、日本に根付いてきた文化を背景にしたものが多くあることに気付かされました。また反対に、外国語を日本語に取り入れた外来語については、常にカタカナ表記されている単語は比較的すぐに外来語だと気付くものですが、中にはこんなものまで?と疑ってしまう言葉もあったので少し紹介します。

「天ぷら」「カルタ」などはやや有名な外来語とされているようですが、「合羽(かっぱ)」「カボチャ」「金平糖」「ピンキリ」「襦袢(じゅばん)」「イクラ」までもが外来語だそうです。襦袢などは和服用の下着ですので、伝統的な日本語かと思いきや、実はポルトガル語の「ジバゥン」を音写した語とのこと。

普段、外来語かそうでないかなど、ほとんどと言っていいほど気にせず会話をしていますが、言葉や名前の由来を知っていくと、その歴史的な背景も含め、より日本語の魅力を深く知ることになるように思います。

最近の「日本語」に関する情報番組などを観ていると、普段使っている日本語の本来の意味を知らないだけでなく、その意味を取り違えていたり、間違った使い方をしていたりすることが多くあることに驚かされます。
言葉は時代とともに変化していくものです。その変化の軌跡を知るのも言葉=日本語の魅力を知るひとつのきっかけではないでしょうか? そして、このように言葉を知っていくことが、「言葉」を美しく、正しく、使いこなせるようになるのではないかとも感じました。日本語に関する書籍も多く出ています。ご興味があれば、ぜひご覧になってはいかがでしょうか?

登場人物紹介

檜山陽子
(専業主婦)

陽子は、夫である健一、10歳の息子、8歳の娘との4人暮らし。ペットのミニチュアダックスもいつも一緒。おっとりした性格であるが、好奇心旺盛で興味の対象には熱中する38歳の専業主婦。陽子の今一番の関心事は、家族の健康。

檜山健一
(陽子の夫)

陽子の夫で、阪神大震災の被災経験を持つ39歳。大手メーカーの営業課長で平日は夜遅くの帰宅が多い。休日は子供との交流や陽子の家事を手伝う、檜山家の大黒柱。

檜山大樹
(陽子の長男)

公立小学校に通う4年生。サッカーが大好きで活発な育ち盛り。性格は積極的で、好奇心も旺盛。いろんなことに興味をもつところは母親ゆずり。

檜山さくら
(陽子の長女)

公立小学校に通う2年生。両親に似て社交的な性格で、誰とでも仲良くなれる。少しおませな一面もあり、母親の家事を手伝うのが大好き。

ショコラ
(檜山家のペット)

檜山家の一員となってからもうすぐ2年のミニチュアダックスのオス。
好奇心旺盛な性格で、毎日の陽子さんの散歩と庭での穴掘り遊びが大好き

大木美智子
(おばあちゃん)

檜山家のご近所に住む、上品で博識な75歳の老婦人。料理研究家の肩書きを持ち、80歳の夫と一緒に暮らしている。昔から受け継がれた知恵で、丁寧に家の手入れを行っている。

大地博
(博士)

国立大学工学部建築学科卒業後、アメリカへ留学し、博士号取得。大手建設事務所勤務の後、大学の教授に就任。自ら設計した実験住宅に住み、環境にやさしい家を思考する60歳。檜山健一の父親と先輩後輩の間柄。

ジョニー
(健一の友人)

健一の学生時代からの友人でカリフォルニア出身の39歳。 両親と妻、2人の子供とロサンゼルスのロングビーチに暮らしている。 健一と知り合ったことをきっかけに、日本の文化(特に建築)に興味を持つ。 日本へは、時々出張で来日する。