給湯器編
キッチン、お風呂、洗面台などお湯の供給元である給湯器の基本的なお手入れをご紹介します。
毎日必ず使うお湯。必要なときに出なくなったり、急にトラブルが起きたりしたら困りますよね。そんなことにならないよう、日頃から心がけたいお手入れ・点検のポイント、また困ったときの対処法をご紹介していきます。
※当コンテンツでご紹介するお手入れ方法はすべて一例です。設備・製品・部材などによってお手入れ方法が異なる場合がございますので、必ず各設備・製品・部材などの取扱説明書をご覧ください。
給湯器のお手入れ方法
以下の各項目を選択してクリックすると、項目の下部に詳細記事が表示されます。
- 1. 浴室内給湯器のトラブル対処法
- 2. 給湯器のお手入れ周期
- 3. 寒冷地での水抜き方法
- 4. 定期的に点検が必要なポイント
- 1. 浴室内給湯器のトラブル対処法
- 1. 浴室内給湯器のトラブル対処法
症状により方法が異なります
自動お湯張りが止まらない!
【運転スイッチを「切」にすればお湯は止まります】
停電などで給湯器の設定がきちんと働かなくなることがあります。いったん風呂リモコンの運転スイッチを「切」にすると、給湯は止まります(数秒待ってから「入」にします)。
- 循環口のフィルター*の目詰まり、湯量設定、残り湯の量なども原因として考えられます。機器メーカーの取扱説明書をご確認のうえ、ご不明の点はこちらのお問い合わせページ、もしくはメーカーへご相談ください。
*循環口のフィルターとは?
浴槽の内側、お湯が出てくる部分にセットされています。髪の毛やゴミが循環しないように防ぐ働きをするもので、フィルターの目詰まりを放置すると循環がうまくいかなくなります。
冬の寒い時、勝手に自動運転してしまうのですが…
【凍結予防の自動運転です】
外の気温が下がると、風呂リモコンの「入・切」に関係なく、自動的に凍結予防運転をするためです。冬は循環口上部より10cm以上に水面があるようにお湯を残しましょう。
- 冷え込みが激しい時などは、水抜きが必要です。機器メーカーの取扱説明書に従って行いましょう。
お湯が出ない!
【連続使用しませんでしたか? 凍結していませんか?】
以下の手順で確認してみてください。
- 燃焼が自動停止するのは、60分以上連続給湯した場合、または90分以上連続追い焚きした場合などです。いったん風呂リモコンの運転スイッチを切り、数秒待って運転スイッチを「入」にしてください。
- ガスメーターの安全装置をガスで止まっている場合があります。この時はガスの復帰を行ってください。
- 凍結の場合は次の「凍結してしまったらどうしたらいいの?」を確認してください。
以上を確認しても改善しない場合は、機器メーカーの取扱説明書もご確認のうえ、こちらのお問い合わせページ、もしくはメーカーへご連絡ください。
凍結してしまったらどうしたらいいの?
【ぬるま湯かドライヤーで解凍します】
元栓や水道管のまわりに保温筒がついていれば外し、布を巻いてゆっくりとぬるま湯をかけます。ドライヤーで温めるのも良い方法です。凍結で給湯器からお湯が出ない時は、いったんガス栓・給水元栓を閉め、風呂リモコンの運転スイッチも切り、止水栓や水抜きバルブの周りを温めてください。
水が出るようになっても、水漏れがないかよくご確認のうえ、使用してください。貯湯式給湯器の下が漏れているのですが…
【膨張水の場合は、故障ではありません 】
安全弁のオーバーフロー管の膨張水が出て、ボイラー置き場のモルタルを濡らすことがあります。その場合は故障ではありませんが、心配なときはこちらのお問い合わせページ、もしくはメーカーへご相談ください。
追い焚きが不調です
【残り湯が不足していませんか?】
残り湯不足の場合、水(お湯)を補充します
追い焚き時に、循環口上部より10cm以上(機種による)まで水または湯が入っていることを確認してください。冬に気温が下がると自動的に浴槽の水(お湯)を循環させて凍結を予防します。水(お湯)不足の場合、空運転して追い焚き不調の原因となります。
→風呂リモコンの「自動スイッチ」を押し、水(お湯)を補充してから追い焚きし直します。残り湯がある場合はフィルターを点検・掃除
循環口のフィルターにゴミや髪の毛が詰まっていませんか? フィルターが詰まると、追い焚きの不調やお風呂の温度が、希望の温度にならない恐れがありますので、こまめに掃除しましょう。
水の出が悪く、時間がかかります
【ストレーナ*の目詰まりを直します】
本体のストレーナ
水栓全体のストレーナに砂ゴミなどが詰まると、吐水量減少や湯温不足の原因になります。定期的に清掃しましょう。
吐水口のストレーナ
吐水口のストレーナが詰まると、吐水量が減ったり、きれいに流れなくなったりすることがあります。定期的に清掃してください。
- お手入れが終わったら、水栓金具の止水栓を十分に開きましょう。
*ストレーナとは?
フィルターと同じようにろ過器を示す言葉のひとつです。水栓には、水道水中に含まれる砂ゴミなどを取り除くために、ストレーナやフィルターが内蔵されています。
お湯が熱すぎる、ぬるい…
【設定温度、止水栓を調整します】
給湯器から充分なお湯がきているか、設定温度が適切かを調べます。また、湯、水それぞれの止水栓(水栓金具)が充分に開いているか調べます。水栓本体のフィルターが目詰まりしていることもあります。外してお掃除しましょう。
【給湯器の温度設定は少し高めに】
温度調整つき水栓(サーモミキシングタイプ)の場合、例えば水栓から40℃の湯を出したいときには給湯器の設定温度は+10℃(50℃)で設定しましょう。水栓の構造上水を混ぜて使うため、給湯器の設定温度を高めにしてちょうど希望適温になります。
- カランやシャワーへの給湯と、浴槽への給湯は別々に温度設定してください。
- 2. 給湯器のお手入れ周期
- 2. 給湯器のお手入れ周期
部位ごとにお手入れの周期や方法が異なります
給湯器
【月1回】
機器本体やリモコンは、水で固く絞った布で拭きます。風呂リモコンは防水タイプですが、故意に水をかけないでください。なお、台所および増設のリモコンは防水タイプではありません。
【これはNG】
シンナーやベンジンなどの溶剤は、材質をいためるので使用しないでください。
循環口(アダプタ)のフィルター
【週1回】
浴槽のフィルターが詰まると、お風呂の温度が希望通りにならない恐れがあります。次の手順でお掃除しましょう。
-
1)循環口のキャップを回して外します(キャップ以外は外さないように)。
-
2)フィルターに詰まった髪の毛やゴミを取り除き、ゴミ箱へ捨てましょう。
-
3)水で洗って元に戻します。
給水側水抜き栓のフィルター(屋外設置型の場合)
【月1回】
お湯の出が悪くなったらフィルターを掃除しましょう。お掃除の手順は以下の通りです。
1)給水元栓を閉め、すべての給湯栓を開けて水抜き栓を外します。水や熱い湯が出るので、ヤケドに注意。洗面器などで受けてください。
2)水抜き栓を配管と結ぶバンドから外して、フィルターを歯ブラシなどで水洗いします。
3)元通りに取り付けます。
4)水漏れがないか確認しましょう。こんな時は?ここもポイント!
★お湯が出ない!一度、運転スイッチを「切」にした後、10秒後「入」にしても出ない場合は?
■ガスは通じていますか?
キッチンのガス機器に点火、点火しない場合、ガスの元栓が閉じていれば開けます。開いている場合は、メーターを確認してください。危険予防機能が作動して、ガスを遮断している場合があります。その場合は復帰させてください。
■水は通じていますか?
蛇口をひねってみます。水が出なければ水道の元栓、止水栓を確認し、閉じていれば開けます。
■通電していますか?
広域停電なら復旧まで待ち、停電でなければブレーカーを確認します。長時間の使用や、落雷の場合などに安全装置が働いて給湯器に通電しないことがあります。
■給湯器の安全装置解除法
1)電源プラグを左に回して抜きます(回さないタイプもあります)。
2)約10秒後、差し込んで元に戻します。
3)設定が消去されています。機器メーカーの取扱説明書に従い再設定します。- 以上で復帰しない場合は、こちらのお問い合わせページ、もしくはメーカーへご連絡ください。
-
- 3. 寒冷地での水抜き方法
- 3. 寒冷地での水抜き方法
以下の方法で行ってください
水抜きについて
水抜きは、気温が−4℃から−8℃になった頃が目安とされています。地域によっては冷え込んだとき、テレビなどで凍結注意案内が流れるところもあります。一日中、外気温が氷点下の「真冬日」が続いたときも水抜きをしましょう。
寒冷地では、長期間留守にする際、電気や暖房を止めるときは凍結の心配があります。充分注意して水抜きをしておきましょう。【水抜きをしておいたほうがよい場所】
・キッチン ・浴室 ・洗面所 ・洗濯機置場 ・トイレ ・給湯器
【もし凍結してしまったら】
軽い凍結の場合は、水道管(保温筒などは取り外す)や、水栓にタオルか布を巻きつけ、その上からぬるま湯をゆっくりかけます。軽い凍結の場合は、この方法で水が出るようになります。直接熱湯をかけたり直火を当てたり、また電気を直接接続して解凍するのは厳禁です。水栓の破損や火災の危険があります。
水道配管、水栓金具の水抜き
<準備>
まず、水栓を開けて水が出ることを確認し、また閉めておきます。配管が凍結していないことを確認しましょう。
<手順>
-
1.水抜き栓またはメーターの元栓を閉めます
- ここで言う「水抜き栓」とは、給湯器やキッチン、トイレまわりなどにある立ち上がり管についている栓のことを指します。
- 水抜き栓のレバーを上(止/水抜き)に上げるか、水抜き栓バルブを右(閉/水抜き)に回して閉めます。メーターの元栓も右に回すと閉まります。
-
2.水栓を開けます
キッチンや浴室・洗面所、洗濯機置場などの各水栓を開けます(2階も同様です)。シャワーホースは、水抜きのため下に置きましょう
-
3.エアーカランを開けます
天井を向いている蛇口=エアーカラン(自動給気弁でないもの)を開けます。
- 1.の前に開けると水が吹き出ることがあるのでご注意ください。
-
4.水栓金具を水抜きします
それぞれの水栓金具や機器の水抜き栓の下に水受けを置き、水抜き栓をゆるめ、水を出します。水抜き完了後は、開けた栓を閉めておきましょう。
【注意】
水栓金具の種類によって、水抜き栓の位置や形はいろいろです。機器メーカーの取扱説明書をよく読んで水抜きを行ってください。
給湯器の水抜き
<準備>
水抜きはガス栓を閉め、水抜き栓かメーター元栓または機器近くの給水元栓を閉めた状態で始めます。
<手順>
【風呂側の水抜き】
- 浴槽の水を排水します。
- 風呂リモコンの運転スイッチを「入」、「熱く」スイッチを「入」にし、循環口からの排水を確認し、2分程度そのままにしておきます。
- 2階の浴室など、浴槽が本体より高い位置にある場合は、機器メーカーの取扱説明書を見て確認してください。
- 排水完了後、運転スイッチを「切」にします。
- すべての風呂の水抜き栓とポンプ水抜き栓を左に回して開け、排水します。排水完了後は閉めます。
【給湯側の水抜き】
- すべての給湯栓を全開にします。
- すべての給湯水抜き栓、エアチャージ栓を開けます(水抜き栓から水が1リットル弱ほど出てきます)。
- 風呂リモコンの運転スイッチを「入」にします。
- 風呂自動スイッチを押し、1分ほど待ちます。
- 運転スイッチを「切」にします。
- 電源プラグを抜きます(濡れた手で触らないでください)。
- 排水完了を確認してから、すべての水抜き栓、エアチャージ栓、給湯栓を右に回して閉めます。
- 方法は機種によって違いますので、機器メーカーの取扱説明書をよく読んで水抜きしましょう。
トイレの凍結予防
機器メーカーの取扱説明書をよく読んで、凍結予防してください(寒冷地用には、凍結予防方法に水抜き方式と流動方式があります)。温水洗浄便座用の水抜きも必要になりますので、あわせて取扱説明書をご覧ください。
- 2日以上暖房を入れずに留守にする場合や、別荘等の場合は、便器の中に不凍液を用いた予防方法もあります。詳しくはこちらのお問い合わせページ、もしくはメーカーへご相談ください。
浴室水栓金具の水抜き
<手順>
-
1.水抜き栓(または元栓)を閉めます。水抜き栓のレバーを上(止/水抜き)に上げるか、水抜き栓バルブを右(閉/水抜き)に回して閉めます。元栓も右に回せば閉まります。
-
2. シャワーヘッドを床面に置き、吐水切替ハンドルをシャワー側にしてください。
- 水が止まらない場合は(1)の水抜き栓(または元栓)を確認してください。
-
3. 混合水栓本体およびストレーナの水抜きつまみを湯側・水側ともにゆるめてください。
- 湯側のストレーナ内には、熱湯がたまっている場合がありますので、ヤケドに注意してください。
-
4. 温度調節ハンドルを高温側に合わせて、水が出なくなってから、さらに低温側に回してください。
-
5. 水が出なくなったら、吐水切替ハンドルをカラン側にして、再度温度調節ハンドルを高温側、低温側に回してください。
- 最後に水栓をすべて閉じてください。
【注意】
各機器メーカーの取扱説明書をよく読んで水抜きをしてください。
-
- 4. 定期的に点検が必要なポイント
- 4. 定期的に点検が必要なポイント
下記のポイントを点検してください
給湯器の点検ポイント
(1)
機器や排気口のまわりに洗濯物・新聞紙・木材・灯油・スプレ−缶など、燃えやすいものを置いていないか?
→燃えやすいものを置かないでください。(2)
- 機器外装に異常な変色はないか?
- 機器外装の下部周辺などにサビや穴開きはないか?
- 運転中に機器から異常音が聞こえないか?
- 機器・配管から水漏れはないか?
→現象があった場合は、こちらのお問い合わせページ、もしくはメーカーへご連絡ください。
(3)
排気口にススがついていないか?
→ついていたら、こちらのお問い合わせページ、もしくはメーカーへご連絡ください。(4)
排気口・給気口がほこりなどでふさがっていないか?
→ふさがっている場合は、掃除してください。(5)
ドレン配管の先にゴミ詰まりなどがないか?
→ゴミなどは取り除いてください。- 機器の点検・お手入れをする場合は、運転スイッチを「切」にし、機器が冷えてから行ってください。
- お客様ご自身による点検だけでなく、専門技術者による定期点検整備も必ず行ってください。
- 製品によって点検方法が異なりますので、点検時は必ず取扱説明書をご確認ください。