芝生のお手入れ・年間の作業日本芝(高麗芝)編

芝生のお手入れ・年間の作業 日本芝(高麗芝)編

今回は、日本芝(日本で最も一般的な高麗芝)のお手入れ方法についてご紹介します。
芝生は1年を通じたお手入れカレンダーに沿ってメンテナンスするのが、美しく保つコツです。
日本芝は11月頃~2月頃までは休眠期となり、春になってから生育期を迎えます。
生育期には、除草と刈り込み、水やりを適宜行います。肥料も6月と8月頃に与えます。
休眠期は刈り込みや水やりは不要ですが、休眠期が明ける2月末~3月初め頃には、冬の間に生えてきた雑草取りや、発芽や発根を促進させ、凹みなどをなくす目土(めつち)入れ、根が密集しすぎた場合に地面に穴を開けるエアレーション、施肥などを行います。

教えてくれるのは、住友林業緑化・愛グリーン推進部 中山 魁人

芝生管理の年間作業カレンダー

芝生のお手入れ道具

芝生の管理に最低限必要なのは、刈り込みバサミと熊手(レーキ)、散水ホースです。
芝生の面積が広い場合は、手動や電動の芝刈り機があると便利でしょう。また、細かな作業をする際は、植木バサミや芝刈り用の電動バリカンも役に立ちます。
根が密集しすぎた場合のエアレーションには、専用スパイクの使用をお勧めします。

除草の方法

芝生を適宜刈っていれば、丈の高い草の侵入はおおむね防げます。しかし、低い低草の侵入を防ぐことは困難ですので、見つけ次第除草を心がけましょう。
芝刈りの際に芝と一緒に刈り込んでも、根が残っていると草はどんどん伸びてきてしまいます。草は根ごと引き抜くようにしましょう。
土が硬いと根ごと取るのが難しいので、雨の後など、土が柔らかいときの方が作業しやすいでしょう。手で引き抜くのが難しい場合は、フォーク型やピンセット型の草取り道具を用意すると良いでしょう。

雑草は生長するとタネを周りに撒き散らしたり、地下茎を這わせてどんどん繁殖していきます。早め早めの除草が何よりの対策です。
もし、雑草が多くなりすぎたら、市販されている芝生用除草剤を使うのも一つの方法です。どんな雑草に効くのかをよく確かめてからご使用ください。

雑草を見つけたら、根本から引き抜きます。

根を残してしまうと、また生えてきます。

雑草はできるだけ小さなうちに、見つけ次第抜くようにしましょう。

手で取りにくい場合は、DIY店などで販売されている草取り道具を試してみましょう。

刈り込みの方法

芝生の手入れの基本は刈り込みです。定期的に刈り込むことで、健康な芝生を育てることができます。
芝が伸びてきたら、2~3cm程度の高さになるように刈り込みます。5~6月、9~10月頃は月に1~2回。生長がもっとも早い7~8月頃は月に2~3回を目安に刈り込みましょう。
必要な道具は、刈り込みバサミと熊手(レーキ)です。3坪程度の広さの芝生であれば、2人で1時間程度で終わるでしょう。

このような刈り込みバサミで刈っていきます。柄の部分に角度のついた芝生用の専用ハサミも市販されています。

柄の中ほどを持って脇を締め、左手をガイドラインにして、右手の刃だけを動かすと切りやすいでしょう。

まず、広いところから刈り、全体を刈り終わったら、細かいところを切りそろえていきます。

建物ぎわを整えるときれいな印象になります。

刈り込みハサミでは作業しづらい部分は、庭木バサミなどで整えましょう。

芝が生長しすぎた際に、一気に点線の部分まで低く刈ると、光合成する葉の部分が少なくなり、栄養が足りずに枯れてしまう場合があります。生長しすぎた場合は、日を空けて徐々に短くしていきましょう。

芝刈り機を使う際には、芝が寝ていることがあるので、1方向ではなく、縦方向・横方向両方から刈ると良いでしょう。

芝刈り機を使う際には、使用上の注意をよく読み、歯のレベル(刈り取る高さ)を調整してから作業しましょう。また、使用後、芝生の刈りカスや汚れをそのままにしておくと、切れ味が悪くなります。機器のメンテナンスも忘れずに。

庭木周りなど、細かな部分は刈り込みバサミや芝刈り用の電動バリカンで。

芝刈り用の電動バリカンを使用するとスピーディーに作業が進みます。

刈った芝をそのままにしておくと、蒸れて病気や害虫の発生のもとになるので、必ず熊手などで刈りカス(サッチ)を集めて処分しましょう。

最後に、飛び出している芝や草などの刈り残しを処理しましょう。

水やりして、刈り込み作業は終了です。

【除草・刈り込み完了!】

ところどころに草が生え、芝生も伸びてボサボサになっていましたが、除草と刈り込みですっきりとしました。建物ぎわをきれいに刈ると、見栄えが大きく変わります。

水やりのポイント

水やりは大切ですが、やりすぎにも注意が必要です。
「乾いたらたっぷりあげる」が基本です。例えば、長期間、雨が降らず地面が乾いている場合は、たっぷりと水を与えてください。
乾き切らずに水やりを続け、常に湿った状態にすると、根が表面上にしか育たず、根張りが悪くなり、はげたり剥がれやすくなります。

施肥のポイント

芝生はお互いの根が絡み合い密集しているので、肥料を吸収しにくい状況になりやすく、生育が衰える原因となる場合があります。
美しい芝生を楽しむためには、適期に適量の施肥が欠かせません。施肥の時期は、3月頃、6月頃、8月頃の3回が基本です。

窒素(N):リン酸(P) :カリウム(K)=8:8:8程度の芝生用の肥料を1平方メートル当たり30g程度撒きます(肥料の分量については商品の説明書きをよくご覧ください)。
肥料は一度に必要以上施すと肥料焼けをして、葉や根が傷んでしまうことがあります。また、芝生の肥料は、雑草への肥料にもなるので、くれぐれも適量を施すことを心がけてください。
施肥後は水やりを十分に行い、肥料が全体に行き渡るようにしてください。

30gはこの程度。

芝全体に行き渡るように撒いていきます。

エアレーションのポイント

エアレーションとは、地面に穴を開けるお手入れです。
芝生は3~5年で根が密集してしまい生育が悪くなります。そこで、金属のスパイクで10センチ前後の間隔で深さ10センチほどの穴を開けて水や空気の通り道を確保して生育を良くしてやります。
穴を開けて地中に空気を送ることで微生物の活動も活発になり、枯れ芝や古い根の分解を促進させます。また、水はけも改善されます。

エアレーションを行う際には、地中の配管や、庭園灯の配線などを傷つけないようにご注意ください。

目土(めつち)入れのポイント

目土には発芽や発根を促進する役割と、芝生の凸凹などを修正する役割があります。

芝生は地下茎が地表の浅いところを這うため、生長点がだんだん上がってきて地下茎が露出することがあります。目土は露出した地下茎を 覆って、水や養分を吸収しやすくして生長を良くするために実施します。

また、芝生が凹んでいる場合、芝生の表面に目土を入れて、凹んでしまった部分を徐々に平らにならしていきます。

目土は芝生専用に作られた商品を使う方が安心です。
目土を撒いたら、熊手やトンボで5mm程度の厚さになるよう、均一にならしていきます。特に凹んだ部分は、平らにするために土を厚く盛りたくなりますが、急に土を厚くかぶせると、かえって芝生が蒸れて傷んでしまうので、その部分は徐々に平らにしていくようにしましょう。
全体的に敷きならしたら、軽く水をかけ、土を定着させて完了です。

目土は芝生の生育期に入る前の2月末~3月初め頃が適期です。目土を続けると土の高さ(グランドレベル)が上がってしまうので、目土の撒きすぎにはご注意ください。

病気や害虫の対策

芝生の病気にはサビ病やパッチ病などがあり、害虫としてはコガネムシの幼虫やスジキリヨトウ、シバツトガなどが根や葉を食害します。病気や害虫の予防としては、

  • 水のやりすぎに注意する
  • 芝刈りの後は刈りカスをしっかり処分することが大切です。
  • 害虫・病気を発見したら、早期の対応をお勧めします。病気が発生したら園芸店・DIY店などで入手できる殺菌剤などを使って対処しましょう。

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