バラー初心者におススメの品種や育て方
バラを育てるのは難しいと思われがちですが、多種多様な品種があり、育てやすいものもあります。初心者でも、こまめな水やりとお手入れをすることで、きれいなバラを咲かせられるでしょう。本記事では初心者におすすめのバラの品種、苗の選び方、育て方を解説。最後に育てたバラを長持ちさせる飾り方も紹介するので参考にしてみてくださいね。
「花の女王」バラとは
「花の女王」とも呼ばれ幅広い世代に人気があるバラは、たくさんの種類や品種があります。まずはバラがどんな花なのか、開花時期がいつなのか解説します。
さまざまな品種や種類がある
バラは約4万の品種が登録されています。丈夫なので、育てる環境に合った品種を選ぶと育てやすい植物です。樹形には以下の3種類があります。
・木立性樹形
別名プッシュローズ。支えがなくても自立できる
・つる樹形
別名クライミングローズ。枝が2メートル以上伸びるのが特徴
・半つる性樹形
別名シュラブローズ。半自立する枝は1~2センチのびる。枝が木立性のものより柔軟性がある
バラの開花時期
バラは5~6月にかけて開花する品種が多くあります。一季咲き性、四季咲き性、返り咲き性があり、品種によって開花周期が異なります。
・一季咲き性
1年に一度春に咲く。(夏に咲く地域もある)
・四季咲き性
1年を通して何度も咲く。
・返り咲き性
一度開花した後に花がらを切ると、夏から秋にかけてもう一度咲く。二季節咲き性とも呼ばれる。
初心者におすすめのバラの品種3選
病気や害虫に強い、手入れが簡単で育てやすいなど初心者におすすめのバラの品種を5つ紹介します。品種を選ぶときの参考にしてくださいね。
スカーレットボニカ
見ごたえのある明るい赤色の花が特徴的。病気や害虫に強く、手入れも簡単なので育てやすい品種です。繰り返し花が付きます。
ブリーズ
花色のアプリコットピンクとクリームピンクが上品でおしゃれな品種。さわやかな香りも人気があります。病害虫に強く、花の持ちも良いですよ。
レディ・エマ・ハミルトン
鮮やかな濃いオレンジ色の花色が目を引き、存在感があります。フルーツ系のさわやかな香りも楽しめます。樹高が低いので鉢植えにしてベランダや玄関前などに置くのもおすすめです。
バラ苗の選び方&植え付け方法
バラの苗にも、すぐに花が咲きやすいもの、少し育てるのに時間がかかるものなど種類があります。また枝や茎、葉の状態も良い苗を選ぶためにチェックすべきポイントです。バラの苗の選び方や植え方の手順を紹介します。
初心者は大苗や鉢苗を選ぶのがおすすめ
バラ苗には大苗、鉢苗、新苗があります。初心者は育てやすい大苗がおすすめです。大苗は春~秋まで生産者によって育てられた苗で、育てやすく、翌年には花が咲きます。葉っぱが鮮やかな緑色で、枝が太いものを選ぶと良いでしょう。鉢苗は大苗をさらに1年以上育てた苗です。
新苗は冬に接ぎ木された苗で花が咲くのに時間がかかりますが、大苗や鉢苗よりも安い価格で購入できます。新苗は葉っぱが土の近くまであり、枝や茎が太くて丈夫なものを選ぶのがポイントです。
バラの植え付けに適した時期
大苗と新苗で植え付けに適した時期が以下のように異なります。
・大苗
大苗の植え付けは10月上旬~翌年3月下旬が適しています。植え付け時期でも、暑さの残る秋や真冬の寒い時期、春の終わり頃は避けましょう。
・新苗
新苗の植え付けは4月中旬~6月下旬が適しています。霜が降りなくなったらなるべく早く植えるのがおすすめです。
バラ苗を植える手順① 地植えする場合
バラを地植えする場合は日当たりや風通しを考慮しますが、真夏に日が当たりすぎないような場所を選んで植えましょう。地植えする時に必要なものと手順は以下のとおりです。
【必要なもの】
- バラ苗
- 乾燥牛フンなど遅効性の肥料
- バラ専用培養土
- 庭の土
【手順】
- 直径5センチ程度、深さ5センチ程度の穴を掘る。
- 穴の底に乾燥牛フンなどの遅効性肥料と、バラ専用培養土を混ぜたものを入れる。
- 庭の土を上から少しかぶせ、バラ苗を置く。
- 接ぎ木の部分が地面に出るようにバラ苗の高さを調整し、地表から少しだけ低くなるまで庭土を戻していく。
- 水をたっぷりとやったら最後にもう一度庭土をかけ、地表と同じ高さになるようにする。
バラ苗を植える手順② 鉢植えする場合
バラ苗は、鉢植えでも育てることができます。バラ苗を鉢植えする時に必要なものと手順は以下のとおりです。
【必要なもの】
- バラ苗
- 乾燥牛フンなどの遅効性の肥料(元肥入りのバラ専用培養土の場合は、元肥は不要です)
- バラ専用培養土
- 植木鉢(バラ苗よりも一回り以上大きいサイズのもの)
- 鉢底石
- 鉢底ネット
【手順】
- 鉢底ネットを鉢の中に入れて底を覆う。
- 鉢底石を敷き詰める。
- 鉢の1/3~1/2くらいまで、乾燥牛フとバラ専用培養土を混ぜたものを入れる。
- 苗を鉢の真ん中に置く。(根に付いた土は落とさずそのままにしておく)
- 鉢の8分目くらいまでもう一度土を入れる。
- たっぷり水やりをする。(鉢の底から水が流れ出るくらいが目安)
バラの育て方
バラの栽培は水やりと温度管理の他、開花の状況に合わせて必要な作業があります。こちらではバラの育て方について解説します。
日当たりが良く風通しの良い場所に置く
バラは日光を浴びるとたくさんの花を咲かせます。そのため、日当たりが良く風通しの良い場所に置くのがおすすめです。真夏の西日は日光が強すぎるので避けましょう。室内など日当たりの悪い場所に置く場合は、たまに庭やベランダに出して日光に当ててあげると良いです。
水やりは土の表面が乾いてからたっぷり行う
水やりは土の表面が乾いてから行うのがポイントです。水がはねないように根本へ静かに流し込み、鉢の底から流れ出るまでたっぷりあげてください。ただし、水をあげすぎると根腐れの原因になるので注意しましょう。水やりの時間帯は午前中(8時~10時頃)がおすすめです。
適切な時期に肥料を与える
バラは、花を咲かせるためにたくさんの肥料を必要とします。植えた時の土に含まれている肥料だけでは足りないため、追加で肥料(追肥)を与えましょう。追肥の時期は3月中旬~下旬、6月、9月にそれぞれ1回。鉢の縁に肥料を2~3ヵ所に分けて置きます。肥料はバラ専用のものがおすすめです。
剪定をして開花の準備をする
バラの剪定は夏と冬に行います。
・夏の剪定
目安として9月上旬ごろに、木立性と四季咲き性の品種のみ行う。細く弱い枝と枯れた葉など開花に不要な部分を切り、長い枝は1/3の長さに短く切る。バランスを見ながら枝やつるを整える。
・冬の剪定
全品種行う。古くなったり、病気にかかったりしている枝を根元から切る。花を咲かせたい枝だけ残し、形を整える。
また、夏と冬の剪定とは別に、咲き終わった花の咲がら剪定を行うと、良いバラの花を咲かせ続けることができます。咲がら剪定とは、花が咲き終わる頃に枝を切ることで、次の花を咲かせることです。
切る場所は、花の下の方の5枚葉が付いている茎の上、5mmくらい残した場所です。バラの葉は3枚だったり、7枚だったりすることもありますが、5枚葉の上が、いい芽が出る場所といわれています。
新しい枝が伸びて花が咲いた後は、また5枚葉の上で切る、を繰り返すと、枝が増えて花を咲かせ続けることができます。
鉢植えのバラは年に1回植え替える
元気なバラは土の栄養分を吸収しながら鉢いっぱいに根を張るほど生長するので、年に1回植え替えをしましょう。植え替えの時期は花が咲かない冬が適しています。
植え替えのやり方は苗を植えた時と基本的に同じですが、白くて健康な根以外は切り、土と肥料は新しくしましょう。
病気や害虫を見つけたら早めに対策する
バラを育てる際には以下のような病気や害虫に気を付ける必要があります。
【病気】
- うどんこ病
- 灰色カビ病
- 黒星病
【害虫】
- テッポウムシ
- カイガラムシ
- チュウレンバチ
病気や害虫を発見したら早めに取り除くか、殺菌剤や殺虫剤を散布するなどの対策をしましょう。
バラを長持ちさせる飾り方
自分で大切に育てたバラを花瓶に入れてお部屋に飾るのもおすすめです。バラの美しさを少しでも長く楽しめるように長持ちさせる飾り方のポイントを解説します。
前処理をして花瓶に活ける
バラを飾る前にちょっとした前処理をすると長持ちしやすくなります。花瓶の中で雑菌が繁殖するとバラが枯れやすいため、活ける前に食器用洗剤で洗っておきます。
水に浸かる、見た目のバランス的に不要といったバラの葉は取り除いて問題ありません。また、トゲが刺さらないように注意して取り除きましょう。水を張ったバケツの中でバラの根元から約3センチのところで斜めにカットして水切りし、花瓶に活けます。花瓶を置く場所は、直射日光の当たらない涼しい場所が最適です。
飾った後はこまめにお手入れをする
夏は毎日、春と秋は3日に1回、冬は5日に1回程度は水の入れ替えをして清潔さを保ちましょう。毎日水替えするのが難しい場合は、延命剤を使うのがおすすめです。
バラの花首まで水があがりやすくなるように、茎を少しずつ切り戻していくのも長持ちさせるポイントです。こまめな水替えとお手入れでバラが長持ちしやすくなりますよ。
初心者でも育てやすい品種からバラを育ててみよう
バラは手間をかけた分、たくさんの花を咲かせてくれます。自分で育てたバラは一段と美しく感じ、心に癒しを与えてくれるでしょう。まずは育てやすい品種からバラ栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。