地震|備えておきたいこと
地震はいつ発生するか分からないもの。いざという時に慌てないためにも、日ごろの備えが重要です。非常用持ち出し袋の準備や食料品のストック、家具の転倒対策など、できることを押さえておきましょう。
地震への備え① 非常用持ち出し袋を準備する
地震発生後に自宅が被災すると、避難場所で生活をすることも考えられ、最低限の生活用品が必要になります。次のようなものを非常用持ち出し袋に入れて、玄関近くや寝室などに準備しておき、いつでもすぐに持ち出せるように準備しておくことが重要です。
非常用持ち出し袋に入れておくものリスト
<非常用持ち出し袋に入れておくものリスト>
- 食料品や飲料水(缶詰、インスタント麺、チョコレート、ビスケット)
- 懐中電灯
- 携帯ラジオ
- ヘルメットや防災ずきん
- マスク
- 軍手
- 貴重品(現金、健康保険証、預金通帳、印鑑など)
- 救急用品(絆創膏、消毒液、常備薬、包帯など)
- 衣類
- 洗面用具
- タオル
- ウェットティッシュ
- 携帯電話の充電器
- 予備の電池
- 毛布
- 携帯トイレ
- 乳児がいる場合は、紙おむつ、ミルク、ほ乳びんを準備しておく
地震への備え② 日ごろから食料品や生活必需品を備蓄する
地震発生後は、物資の輸送が困難になることも考えられます。その時になって困らないように、日ごろから各家庭で食料品や生活必需品を備蓄しておきましょう。地震への備えとして、次のようなものを備蓄しておくと安心です。
食料品・生活必需品の備蓄リスト
地震により電気や水道、ガスが止まることも考えられます。日ごろから保存期間の長い食料品や飲料水、生活必需品を家族の人数分備蓄しておきましょう。
〈備蓄リスト〉
- 非常食 3日分(ご飯(アルファ米など)
- 乾パン、ビスケット、板チョコなど)
- 飲料水 3日分(量の目安は1日あたり3リットル×家族の人数分×3日)
- カセットコンロ(ガスボンベ)
- 固形燃料
- マッチ
- ろうそく
- ティッシュペーパー
- トイレットペーパー
大規模な地震に備える場合は、1週間分程度の備蓄が望ましいです。また飲料水とは別に、トイレを流すなどの生活用水も備えておく必要があります。常時お風呂の水を張っておく、ポリタンクに水道水を入れておくなどの対策を心がけてください。
災害用トイレを準備しておくと安心
地震発生時には断水や、下水道の損壊が発生することも予想されます。復旧に時間がかかる場合、トイレが使用できず不便な思いをするかもしれません。水がなくても使用できる災害用トイレを準備しておくと、ひとまず安心です。
地震への備え③ 発生時の行動について家族で話し合う
地震発生時に家族全員が同じ場所にいるとは限りません。もしもの時に慌てず行動するためにも、事前に家族で話し合って決めておく必要があります。
避難場所と避難経路の確認する
地震発生時に慌てて避難することのないよう、避難場所や避難経路の事前確認は重要です。避難場所は、住んでいる地区ごとに指定されている場合がほとんどです。不明な場合は住んでいる市区町村の窓口へ問い合わせておくと、いざという時に役立ちます。
避難経路の確認は、国土交通省のハザードマップポータルサイトや、住んでいる自治体のホームページの防災マップなどからできます。
また地震発生時は、自宅から避難場所へ向かう道が通行できない可能性も。そのため、事前に生活圏内(自宅や職場、学校周辺など)を実際に歩いておくことをおすすめします。地震発生時に想定される危険箇所や、避難時に役立つ施設などを確認し、自分用のマップを作成して書き込んでおきましょう。
安否確認方法や集合場所を決める
別々の場所にいる時に地震が発生した場合の安否確認や、集合場所について家族で話し合い、事前に決めておく必要があります。携帯電話の回線がつながりにくくなった場合、災害用伝言ダイヤル(局番なしの「171」)や、災害用伝言版を利用するなど連絡方法についても話しあっておいてください。
防災知識や技術を身につける
日ごろからインターネットやテレビ、新聞などで情報収集をし、防災に関する知識を身につけておきましょう。
また、防災訓練に家族全員で参加し、初期消火や出火防止、身体防護、避難方法、救出、通報連絡などを学ぶことも重要です。
さらに、消防署などが実施する防災に関する講演会などへの出席や、地域の自主防災組織の活動に参加するなど近所との協力体制を構築することも心がけましょう。
地震への備え④ 家屋の耐震性チェックや家具の転倒対策をする
地震で家屋が倒壊すると大変危険ですし、避難の妨げになるため古い家屋は耐震診断を受けておくことをおすすめします。また、家の中の家具も転倒対策や配置の見直しも行っておくべきです。こちらでは、家屋の耐震診断や家具の転倒対策について解説します。
家屋の耐震性をチェックする
家屋の耐震診断を受けて、必要があれば地震に備えて補強しましょう。昭和56年以前の建物は、古い耐震基準で建築されています。それ以降に建築された建物も地盤が悪かったり、壁や基礎にヒビがあったりする場合は、耐震診断を受けるのがおすすめです。
また、ブロック塀も倒れると避難の妨げになります。ブロック塀にも基準があるので、専門家に確認してもらっておくと安心です。もし基準を満たしていない場合は、補強または撤去が必要になります。
無料の耐震診断や費用の補助を受けられる自治体もあるので、住んでいる市区町村の窓口に問い合わせしてみましょう。
L字金具や突っ張り棒などで家具を固定する
地震が発生した時に、家具が転倒しないよう対策が必要です。L字金具は柱や壁に家具を固定するのに最適。下向きに取り付けると、強度がアップします。壁に金具を取り付ける場合、石膏ボードの奥の柱や間柱に釘を打って使用します。柱の位置を確認する場合は、市販の下地探し用ピンまたは針を使用するのがおすすめです。
L字金具が取り付けられない場合は、突っ張り棒を使用する方法もあります。家具の下にもストッパーを差し込んでおくと安心です。
上下に分割できるタイプの家具は、連結金具を使って固定します。冷蔵庫や薄型テレビなど、それぞれの家具に適した金具が市販されているので、しっかり固定できるものを選びましょう。
家具の開き戸が開かないように固定する
強い揺れで家具の開き戸が開かないように、留め金で固定しておきましょう。また、ガラスがはめ込まれている家具は倒れなくても、中の食器類がガラスにぶつかって割れるおそれもあります。そのため、ガラス戸には飛散防止フィルムを貼っておくことをおすすめします。
食器棚の中の棚板には、ゴムシートを敷いておくと食器類の滑り止めになります。
家具の配置を見直す
家具が倒れて直撃したり、避難経路となるドアをふさいだりしないように、家具の配置を見直すことも重要です。寝室や子ども部屋にはなるべく家具は置かないか、低い家具にしましょう。
就寝前にカーテンを閉めておくと、地震発生時に窓ガラスが割れた時の飛散防止策になります。また、すぐ避難できるように懐中電灯やスリッパ、笛を手の届く場所に置いておくと良いです。
地震への備え⑤ 防火対策をする
地震により火災が発生することも考えられます。火災を未然に防ぐ、被害を最小限に抑えるために日ごろから対策を心がけましょう。防火対策について解説します。
火災警報器の動作確認を定期的に行う
火災警報器は、正しく作動しているか定期的に確認する必要があります。ほとんどの場合、本体にある点検ボタンを押すと、警報音や音声が出るので正常に動作しているか確認できます。もし音や音声が出ない場合は、本体が劣化しているか電池切れかもしれません。
住宅用火災警報器の寿命は約10年と言われています。使用開始から10年を目安に、新しいものへ交換するのがおすすめです。電池切れの場合は、電池を交換してください。
消火用品を備える
地震による火災の被害を最小限に抑えるために、消火用品は必ず備えておきましょう。消火器を備える場合は、正しい使い方も事前に覚えておく必要があります。
また消火器は有効期限があるため、定期的に確認を行ってください。火元に投げるだけの消火剤などもおすすめです。
機器類が要因となる出火を防ぐ
ガスコンロに燃えやすいものが落ちてこないように対策をしましょう。万が一ブレーカーが落ちた時は、ガス漏れしていないか確認してから戻してください。
転倒したままの家電製品は、電気が復旧した時に作動して発火するおそれがあるので注意が必要です。また地震の揺れで、花瓶や水槽などが倒れて家電製品のコンセントに水がかかり、発火することも考えられます。そのため、家電製品の近くには水が入ったものを置かないようにし、普段使用しない家電製品のコンセントは抜くようにしてください。
石油ストーブをカーテンの近くに置いたり、洗濯ものに近付けたりするのも危険です。地震発生時に転倒して灯油が漏れないように、日ごろから給油口をしっかり閉めることも忘れずに。
まずはできることから地震への備えを始めよう
地震への備えをしっかりしておけば、もしもの時でも落ち着いて行動ができるでしょう。また、日ごろから防災について話し合うなど、家族との情報共有もとても大切。まずは非常用持ち出し袋の準備と食料品や日用品の備蓄など、できることから始めてみてはいかがでしょうか。