住まいを引き立てる植栽のヒント

住まいのファサード(建物を正面から見た外観)を引き立てるには、樹木の種類や大きさを考えて、バランスよく配置することが大切です。緑の配置を考えるだけで、住まいの印象が驚くほど変わります。
例えば、シンプルでバランスのよいファサードがお好みなら、繊細な枝葉を持つ高中木と彩りのある低木類を組み合わせることで、灌木や下草で全体の安定感を演出できます。
植栽する樹木には、それぞれ役割があります。下の写真に示したシンボルツリーは、植栽の中心となる主木です。
建物とのバランスを考えて、2階建てなら3メートル前後の樹高のものがおすすめです。
そのシンボルツリーを引き立て調和をとるのがサブツリーの役割です。さらに、敷地の両サイドに中高木を配することで、建物側面のラインを消し、住まいを街並みに溶け込ませることができます。また、灌木類や下草類など、地面を覆うような丈の低い植物を配置することで外観全体に落ち着きが生まれます。

1.住まいの表情を際立たせるシンボルツリー

住まいの印象を大きく左右するシンボルツリーは、植栽計画の中心となるため、建物の高さとのバランスや生長後の大きさを緑のプロに確認して選定しましょう。建物の外壁全体を緑で隠すのではなく、あえて余白をつくることで、緑とのコントラストが生まれ、住まいの表情が際立ちます。
敷地の方位や日照の条件などによって適した樹種は異なりますが、例えば、南向きでリビングのそばに配置できるなら、落葉樹を選び、夏は強い光を遮り、冬は暖かい日差しを室内に取り込めるようにするとよいでしょう。

ヤマボウシ

生長しても端正な樹形にまとまりやすい樹種です。白い花を法師の被る頭巾に見立てたのが名前の由来。6月頃に白い花を咲かせ、9~10月に赤く実が熟します。実は食べることもできます。紅花の咲く品種や枝垂れ状の品種などさまざまなタイプがあります。株立ちでも一本立でもシンボルツリーとして植えることができます。

アオダモ

のびやかな樹姿が自然林を感じさせ、庭木として人気の樹種です。春に白く煙るような花を咲かせた姿は趣があります。幹肌の白っぽい横縞模様も特徴のひとつです(寒冷地のみ)。雨にあたると幹が緑青を帯びたり、枝や樹皮を浸けた水が藍色になるといわれています。材の性質を活かして野球のバットや建築材料にも用いられています。

エゴノキ

もともと全国の雑木林にみられる樹種で、里山を感じさせる趣が人気です。5~6月頃に白色、星形の花をシャンデリアのように咲かせ、その後、楕円形の実を付けます。ピンク色の品種や、枝がしだれる品種もあります。

住友林業緑化オリジナル樹木

住友林業緑化では、多彩で高品質なオリジナル樹木も開発し、ご提供しています。

ホワイトラブ

住友林業緑化によるオリジナルハナミズキです。これまでのハナミズキの「枝が大きく広がり剪定に手間がかかる」問題を解決する新品種。
狭小敷地におけるシンボルツリーにも対応可能。4~5月に開く、大きなハート型の白い花が魅力です。

プリンセスラブ

ホワイトラブの赤花種で、ホワイトラブによく似たコンパクトな樹形が特徴です。花や薄紅色で、生育状態によっては上品な芳香を放ちます。

ウインタールビー

ソヨゴの新品種です。従来のソヨゴに比べて大きなサクランボのような鮮やかな色彩の実が特徴です。濃緑の葉と冬の実が、シンボルツリーをさらに引き立てます。自然に樹形が整うので、強い剪定はあまり必要としません。

プリンセスルビー

ソヨゴの新品種です。枝が上に向かって伸びる直立性の樹形が特徴です。ウインタールビー同様、大きくて鮮やかな実が成ります。従来のソヨゴやウインタールビーと同じく、近くに雄木があると実付きが良くなります。

タニカ

オーストラリア原産の常緑草本植物。乾燥に強く、活着すればほとんど管理の不要な強い植物です。草丈は60cm から70cm。細い葉のため50cm程度より垂れ下がり、一定の丈に維持されるため一年中美しい葉を楽しめます。初夏にオレンジ色の小さな花をつけますが、結実しないので環境にも影響を与えることはありません。

2.シンボルツリーを引き立てるサブツリー

玄関まわりは間口の広さに応じて複数の樹木で構成を考えます。サブツリーはシンボルツリーが映えるような樹高と樹種を選択するのがポイントです。
例えば、シンボルツリーを落葉樹にするなら、サブツリーは常緑樹を選んで冬場の緑を保つなど、バランスを考えるとよいでしょう。
樹高や配置をそろえると見た目が平面的になるので、あえて高低差をつけて目線にも変化を持たせましょう。

シラカシ

明るい色の細長い葉が密につき、防風、防塵、防火の役割を果たしつつ、敷地内の乾燥も防ぐので、古来から家を守る生垣や防風林に使われてきました。4~5月頃に花が咲き、秋に1.5cmほどの実(ドングリ)を付けます。

ソヨゴ

葉柄が長く外縁が波立っているため、風に吹かれると葉が擦れる音がすることから「ソヨゴ」と名付けられたと言われます。6月頃に小さい白い花が咲き、雌木は秋に赤いさくらんぼに似た実を付けます。日本庭園にもモダンな庭にも似合います。

3.建物側面に植えるサイドツリー

建物の両サイドは、設備や物置など目に触れたくないものが集中するので、植栽で隠すと良いでしょう。その役割のため、冬にも葉が残る常緑樹がおすすめです。
サイドツリーは、近隣と緑の連続性を生むので、街並み形成にも重要な役割を果たします。

キンモクセイ

秋の訪れを知らせてくれる花木。強く甘い香りが一番の特徴です。10 月ごろ、オレンジ色の小さな花を固まって咲かせます。江戸時代に中国より渡来しました。生垣や目隠しとしても利用されます。

セイヨウカナメモチ

萌芽力が強く、美しい赤褐色の新葉が魅力です。生長も早く強健で刈り込みにも強いことから、主に生垣として利用されています。

4.視線・目線を遮るブラインドツリー

窓のそばなどに植えることで、道路や近隣からの視線を遮る効果があります。仕切りやカーテンなどとは違い、さりげなく家の中を見えにくくすることで、昼間でも違和感なく目隠しの役割を果たしてくれます。
サイドツリー同様、1年中必要なものなので常緑樹が適しています。
椅子に座ったとき、窓際に立ったときなど、外からの視線を考慮して樹木の大きさを決めましょう。

フェイジョア

6月頃、白く厚い花弁に真っ赤な雄しべが特徴的な花を咲かせます。葉は厚く光沢があり、葉の裏は銀白色。10月頃から熟し始める実は香りがよく生食できます。

オリーブ

洋風ガーデンを代表する地中海生まれの樹種。葉裏が白っぽく軽やかな印象です。5~ 6月に黄白色の小花を穂状に咲かせて、かすかに甘い香りを漂わせます。果実はピクルスなどの材料に。

5.季節感を演出する低木

目線の高さ、もしくは目線以下の高さの低木は、目に入りやすいため、花や実、紅葉を楽しむのに適しています。
花や実などの時季が異なる複数の樹種を組み合わせると、四季折々の変化を楽しむことができます。また、低木を高木類に添えることで、外観全体のバランスが整い、美しくやわらかな雰囲気が生まれます。

ブルーベリー

家庭向きの小型の果樹です。古くから食用とされている果実は目に良いと言われ、かわいい花や紅葉も見所です。大きな実を付ける改良種もつくられています。

ドウダンツツジ

秋の紅葉が一番の魅力です。車輪状についた枝先に、披針形の小さな葉を付けます。新芽の時期も美しく、4~5月頃枝先に白い小さなつぼ状の花を咲かせます。

カルミア類

花は金平糖に例えられ、花色が独特な品種があります。花を楽しむには花殻は早めに摘みます。数年に一度、株元で剪定すると樹形をコンパクトに保つことができます。

6.庭に安定感を生む灌木・下草類

建物の基礎部分を植栽で隠すことで、大地に根ざした景観を創出できます。外観全体が落ち着き、安定感が生まれます。
軒下部分は植物が育たないので、少し手前に植えるのがポイントです。灌木や下草類は、管理面と彩りを考慮して選ぶことが重要です。

オタフクナンテン

ナンテンの矮性種で樹高が高くならず実も付きません。艶のある葉が特徴で、晩秋から春にかけての赤い葉が魅力です。葉にも樹形にも丸みがあり、丈夫で育てやすく、和風・洋風どちらの庭にも合います。

マホニア コンフューサ

細長い小葉を付けた複葉が枝先に集まって付きます。ヒイラギナンテンの仲間ですが柔らかく繊細な雰囲気が魅力です。葉のトゲも少なく、花の少ない冬にきれいな黄色の花を咲かせて楽しませてくれます。

森の樹木図鑑

住まいの地域や日当たりなどの条件で最適な樹木が検索できる「森の樹木図鑑」。日付を入力すると誕生樹もわかります。ぜひご活用ください。

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