植物を鳥や動物から守る方法

お気に入りの庭が鳥や動物に荒らされたりするのは避けたいもの。動物はエサの場所や安全な場所を覚えると何度も来るため、できるだけ早めに対策をとることが大切です。鳥や動物に最も有効なのは、庭の植物に近づくことができなくするという対策です。今回は、その対策例について紹介します。

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庭を荒らす代表的な鳥の種類

お気に入りの自分の庭で育てた植物を、鳥に荒らされてしまうと悲しいですよね。ここでは、庭の植物を大切に育てるために、気を付けておきたい鳥の種類について紹介します。

発芽したしたばかりの植物が好きなカラスや鳩

カラスや鳩は、発芽したばかりの葉や、発芽前のやわらかくなった種が大好物。種植え後になかなか発芽しない場合、鳥が食べてしまっている可能性があります。

また、鳩は記憶力や、嗅覚などに優れた鳥です。トウモロコシや雑草の種などを好みますが、昆虫なども食べる雑食性。街中でよく見かけるほど、人への警戒心が低いのも特徴です。これらの鳥から植物を守るためには、近寄らないように対策をすると良いでしょう。

家に巣をつくることもあるスズメ

スズメは、昔話にも出てくる親しみのある鳥。稲などの穀物の種子を好んで食べますが、昆虫なども食べる雑食性です。また、カラスや猫など天敵が多く、警戒心が高い鳥でもあります。そのため、スズメは天敵を避けるために人の近くに住むことが多く、一軒家やお寺の屋根の隙間などに集団になって巣を作ります。

家庭菜園を狙いやすいムクドリ

ムクドリは、夕方に駅の街路樹などで集団で鳴いている鳥です。天敵を避けるために、人に近い樹木で生活しています。本来は、田畑の虫を食べてくれる有益な鳥でしたが、今では集団で行動するため、フンや果物の被害が目立つようになってしまいました。ムクドリは虫や柿などの果物など幅広く食べる雑食性ですが、柑橘系の果物は食べません。

鳥害に遭いやすい植物

植物のなかでも鳥害に遭いやすいのは野菜類です。特に実がなる野菜は、鳥害対策をしないと収穫ができない場合も。ここでは特に鳥に狙われやすい植物について紹介します。

果物全般

果物全般は甘いので、鳥に食べられやすいです。特に背が高くなる木で育つ果物は、空を飛ぶ鳥には格好のエサになります。例えば、家庭菜園で人気のブルーベリーは粒が小さく、鳥でも丸飲みできるちょうど良いサイズのため狙われやすいです。他にも、梨・りんご・みかんなども鳥の被害に遭いやすいでしょう。

トマトなどの夏野菜

トマトは、庭で育てやすい人気の野菜。少し小さめのプチトマトも育てやすく、庭で育てる人が多いです。しかし熟れるのを待っている間に、鳥に食べられてしまう場合があります。

トマトは、未熟な緑色のうちは毒を持っているので、鳥に食べられることはありません。そのため、赤く熟れて食べごろになると、鳥が食べにくるのです。甘いトウモロコシも、鳥に食べられやすい夏野菜の1つです。

マメ科の野菜

鳥の大好物である植物の種。稲など、穀物の種を好んで食べるスズメなどが有名ですが、家庭菜園で作りやすいエンドウやインゲンも、鳥に狙われやすい野菜です。また、実だけでなく、発芽した芽なども食べられてしまうことがあるので、発育途中も気を付けなければいけません。

大事な庭を鳥の被害から防ぐ方法

大切な庭を鳥の被害から守るには、しっかりと対策をすることが重要です。しかし、鳥は学習能力が高いため一度エサ場として認識すると、何度も来てしまう場合も。そこで、最初から鳥が近付かないように、誰でも取り入れやすい対策方法について紹介します。

防鳥ネットを設置する

庭で育てた植物を鳥から守るために、防鳥ネットで植物を覆うのが効果的です。ただしネットの目が粗いと、スズメなどの小さい鳥は侵入できてしまうので、網目の大きさには注意が必要。スズメには20ミリメートル目、ムクドリには30ミリメートル目、カラスには75ミリメートル目のネットが良いでしょう。虫を寄せないための防虫ネットでも同様の効果があります。ただ、防虫ネットなどの網目が小さいものは、風や雪の影響を受けやすいので注意が必要です。

吹き流しなど動くものを置く

吹き流しなどを植栽の近くに設置すると、風が吹いて揺れるので鳥が警戒して近づかなくなります。また、CDをつるして光を反射させることなども、同様の効果があります。しかし鳥には学習能力があり徐々に慣れてくるので、効果は1~2週間程度で薄れる可能性も。鳥に慣れさせないために定期的に配置換えをしたり、他の対策グッズと入れ替えたりすると良いでしょう。

トゲトゲシートを敷く

鳥はどこかにとまってエサを食べるため、とまる場所を作らせないためのトゲトゲのシートなどを敷くと、とまれずに諦めるようになります。手すりやプランターの周りなど、ちょっとした隙間に鳥はとまれるため、工夫しながら配置すると良いでしょう。

テグスなどの糸を張る

カラスなどの大きい鳥には、テグスなどの糸を植物の周りに張り巡らせると防鳥効果が高いです。植物の周りに支柱などを立てて、花壇やプランターを囲むように周囲にテグスを張り巡らせると良いでしょう。また、テグスの代わりにミシン糸でも代用できるので、家庭の庭でもすぐに取り入れやすいです。ただし、スズメやムクドリなど小さめの鳥には効果を発揮しない可能性があります。

他の動物への対策

鳥だけではなく、野生化した動物なども、大切な庭を荒らす可能性があります。また、野生化した動物は病原菌などを持っている確率が高いため、もし出くわすことがあっても触らないようにしましょう。ここでは、特に被害に遭いやすい動物と対策について紹介します。

猫にはニオイ&トゲトゲシートを設置する

ペットとしても身近にいることが多い猫は、庭をトイレにしたりしてしまうことがあります。もし糞を見つけたらその都度きれいに取り除くことが大切です。また、糞尿のニオイが残らないように、木酢液など猫が嫌うニオイのもとをまいておくのも良いでしょう。また猫はハーブや柑橘類のニオイを嫌うとされているので、生命力の強いミントなどを菜園の周りに植えて育てると良いです。コーヒーの匂いも嫌いなので、コーヒーの出がらしを撒くのも効果があります。トゲトゲシートを周りに敷いて、周辺を歩かせないのも良い対策です。

アライグマにはニオイ&柵を設置する

最近は、日本全国でアライグマによる、植栽や家への被害が増えています。アライグマはもともとはペットとして輸入されていましたが、脱走したり捨てられたりして野生化し、高い繁殖力から日本全国に分布しています。アライグマは植物以外にも、池の魚などなんでも食べる雑食性です。病原菌を持っていることがあるので、見かけても近づかず触らないようにしましょう。家の屋根裏に潜むこともあります。人間の子どもの手のような長い5本指の足跡が庭にあったら、アライグマの可能性があります。簡単にできる対策法は、アライグマが嫌いな、木酢液やハッカ油のニオイを周りに撒いたり、被害を受けやすい菜園の周りに柵を作ったりするなど、庭に近づかないようにすると良いです。

鳥や動物から庭を守ろう

晩秋などエサが乏しい時期には、どこからともなく鳥たちが飛来してきます。放っておくとあっという間に大事な植物が荒らされてしまうので、早めに対策をとるようにしましょう。

猫も鳥も人の気配があれば近寄ってこないでしょうから、こまめに植物の手入れや対策を確認することが、最も効果的かもしれません。