【家庭菜園】秋から冬に植える野菜
寒さの厳しい秋・冬に、野菜を育てるのは難しいと思われがちです。しかし、野菜によっては家庭菜園でも気軽に育てられます。本記事では、秋・冬から育てられる野菜の種類や育て方、家庭菜園初心者が悩みやすい問題などを解説するとともに、冬野菜を使ったレシピも紹介します。
初心者におすすめの秋・冬に植える野菜の種類
庭やベランダ、プランターなどで、簡単に始められる家庭菜園。秋や冬から育てる野菜は、涼しい時期を乗り越えるために、野菜が糖を蓄えるので美味しくなります。また気温が低くなるにつれて虫の活動量が減り、畑作業がしやすいのも特徴です。
秋・冬に植えるおすすめの野菜には、リーフレタス、小カブ、スナップエンドウ、スプラウト、ベビーリーフ、ソラマメ、玉ねぎ、じゃがいも、にんじん、大根、ブロッコリー、キャベツ、ほうれん草などがあります。
秋・冬野菜① 初心者でも育てやすい「大根」
家庭菜園を始めるなら、初心者でも簡単に育てられる野菜を選ぶのがポイントです。今回は、家庭菜園初心者におすすめの秋冬野菜から3つをピックアップ。まずは、秋から育てることができ、手間のかからない野菜でもある大根を紹介します。
大根の特徴と魅力
大根は春まきと秋まきがありますが、秋にまく方が味が良くなります。種まきは8月下旬~9月上旬、収穫は10月下旬~11月上旬が目安。肥えてない土でも育ち、土を選ばないので育てやすいのが魅力です。
準備するもの
- 大根の種(秋まき用)
- 培養土
- 深いプランター(小さい品種の場合は深さ35センチ以上)
- 鉢底石
- 肥料
- 殺虫剤
種は、春まき用と秋まき用があるため、秋に植える場合は秋まき用を確認して購入しましょう。
大根の育て方
最初にプランターの8分目まで培養土を入れ、肥料と混ぜておきます。大根に虫を寄せ付けたくない場合は、このタイミングで殺虫剤を入れると良いでしょう。土の準備ができたら、種をまくための穴を深さ2センチほどの大きさで作ります。複数株育てる場合は、間隔を15センチほど空けて穴を作ってくださいね。1つの穴に種を4粒ほど入れたら土をかぶせ、たっぷりと水をあげます。芽が出るまでは水を与えなくても良いですが、土が乾ききっていたら水やりしてください。
その後、芽が出てきたら1つの株から2本の葉が出るように間引きし、追肥をします。2週間後に再度間引きと追肥をし、根元が10センチほど出てきたら収穫です。
秋・冬野菜② キッチンで栽培できる「スプラウト」
次に、種を購入すれば、家にあるものですぐに始められるスプラウトの育て方を紹介します。簡単で、狭いスペースでも育てられるので、家庭菜園初心者でもチャレンジしやすいでしょう。
スプラウトの特徴と魅力
スプラウトとは、新芽野菜のこと。カイワレ系とモヤシ系の2種類の育て方がありますが、ここでは代表的なカイワレ系について紹介します。
スプラウトが発芽し、新芽が出たら本葉が出る前に収穫します。新芽にはたくさんの栄養が含まれているため、栄養素が高いのが魅力。気軽に育てられるので、キッチンガーデンとしても人気です。冷奴や魚・肉料理のトッピングにはもちろん、スープや鍋などに入れると栄養価もアップして彩りもきれいです。
準備するもの
- スプラウトの種(薬剤処理がされていないもの)
- グラスや深さのある皿などの容器
- キッチンペーパー(スポンジやティッシュでも代用可)
- ハサミ
- 霧吹き
スプラウトの種は、カイワレダイコン・カイワレブロッコリー、ルッコラ、レッドキャベツなどが販売されています。
カイワレ系スプラウトの育て方
先述したように、スプラウトにはカイワレ系とモヤシ系があるが、ここでは代表的なカイワレ系スプラウトの育て方について紹介します。
湿らせたキッチンペーパーを容器の底に敷き、重ならないよう種をまきます。暗い場所に移し、霧吹きでしっとりするまで毎日水を与えましょう。スプラウトの根が張ったら、容器に水を直接注ぎ、毎日入れ替えます。芽が6センチほどに伸びたら、日当たりの良い場所に置き、葉の色が濃くなったらカットして収穫。1週間から10日ほどで収穫可能です。
秋・冬野菜③ 1年中栽培できる「ベビーリーフ」
最後に紹介するのは、サラダや付け合わせとして大活躍するベビーリーフです。ベビーリーフも育てやすく、収穫も早いため、初心者におすすめ。育てる場所も選ばないので、気軽に挑戦できます。
ベビーリーフの特徴と魅力
ベビーリーフとは、葉野菜の若葉のことです。赤、黄色、緑系のカラー、長卵型、ギザギザ型、ちぢれ型などの葉系がバランス良く配合されているのが特徴です。レタスや水菜、ルッコラなどが栽培されています。若葉の色合いに濃淡があり、彩りを楽しめるだけでなく栄養価も優れています。キッチンガーデンやプランターで育てられるので、初心者におすすめです。
準備するもの
- ベビーリーフの種
- 培養土
- 肥料
- プランター
プランターは小さくても問題ありません。鉢や木箱、紙コップなどでも大丈夫ですが、底に穴が開いている、または開けられるものが良いでしょう。
ベビーリーフの育て方
まずは、縁から2センチほど下まで培養土を容器に入れます。水をかけたらまんべんなくかき混ぜ、土をしっかり湿らせるのがポイント。種が重ならないよう全体にまき、軽く土を被せて平らにします。表面を霧吹きで湿らせたら、乾燥しないよう新聞紙をかぶせましょう。発芽したら日の当たる場所に置き、1ヵ月ほどで収穫できます。
秋・冬野菜を育てる上での悩み&解決方法
家庭菜園を始めたばかりだと、水やりの頻度や害虫の対処などわからないこともあるでしょう。ここでは、家庭菜園初心者が悩みやすい問題の解決方法を解説します。
【水やりの頻度】乾いたらあげる
初心者が悩みがちな水やりですが、基本的には土が乾いたら水をあげます。水のあげすぎはカビや病気の原因になりかねません。土の中に人差し指を第一関節くらいまで入れてみて、乾いていれば水やりのサインです。もし湿っていたら水やりはしないでください。プランターで育てている場合は、鉢の底から水が流れてくるまでたっぷり水やりをしましょう。
【害虫の発生】1匹残らず駆除する
室内で野菜を育てる場合、害虫の心配はあまりありません。しかし、害虫が蔓延してからでは対処ができなくなってしまいます。万が一、害虫がついていたら軍手をはめた手で払い落とすか少し強めのシャワーで洗い流すと良いでしょう。取り逃がしがないよう葉の裏側などよく観察するのがポイントです。
【葉の病気】見つけたらすぐに切り取る
野菜の株が弱っていたり、風通しが悪かったりすると病気は急激に発生します。病気に一度かかってしまうと症状は進行し、枯れてしまうことも。病気を見つけたら、その葉はすぐに切り取り、ゴミとして処分します。その際、病気の葉を根元付近に捨ててしまうと病原菌が広がる恐れがあるので気をつけましょう。
【台風の発生】強風に備えた対策を取る
秋は台風シーズンなので、まだ植えたばかりの野菜の根が十分に張っておらず、地域によっては強風にあおられて抜けてしまったり傷ついてしまったりする恐れも。台風が発生しそうになったら、菜園にビニールをかぶせてしっかり固定する、鉢を室内に入れるなどの台風対策をしっかりと行いましょう。
秋・冬野菜で作ろう!おいしいレシピ
家庭菜園で育てた野菜の魅力はなんといっても新鮮さです。それに加え、種から育った野菜の成長に喜びも感じられることでしょう。せっかく自分で育てた野菜を食べるなら、さまざまな料理に使いたいですよね。ここでは、スプラウトとベビーリーフのレシピを紹介します。
【スプラウト】ほっこり温かいレモンチキンスープ
スプラウトは辛味が少ないので、どんな料理にも合う食材。まず紹介するのは、大根や骨付き鳥などと一緒に食べられ、優しい味わいに仕上がるレシピです。スープにはしょうがも加えているため、寒い時期に食べると、心も体も温まる大満足の1品です。
<材料 2人分>
- ブロッコリースプラウト:20g程度
- 大根:1/4本
- 鶏の手羽先:6~8本(お好みで多めに入れてもOK)
- 水:500ミリ
- しょうが(チューブタイプ):1~2センチ程度
- 酒:大さじ1
- だししょうゆ:大さじ1
- 輪切りレモン、またはレモン汁:少々(輪切りの場合は輪切りレモン8枚程度)
- 塩・こしょう:少々
<手順>
- 大根は皮をむき、薄くイチョウ切りにし、鶏は軽く水で洗ったあと、水けを切っておく
- 鍋に水と鶏肉、大根、しょうがを入れ、煮立つまで煮込む
- アクや余分な脂を取り除き、弱火にしてから酒や出し醤油、塩・こしょうで味を調える
- ブロッコリースプラウトとレモンを最後に入れ、2分程弱火で煮て完成
【ベビーリーフ】ベビーリーフとゴルゴンゾーラのフジッリ
鮮やかな緑色のベビーリーフは、彩りを加えるときにもおすすめ。下処理もいらないので、使いたいときにさっと使える便利な食材です。
<材料 2人分>
- ベビーリーフ:好きなだけ
- フジッリ:160グラム
- ゴルゴンゾーラチーズ:100グラム
- 生クリーム:180グラム
- バター:20グラム
- オリーブ油/大さじ1と1/2
- 塩・黒こしょう:少量
<手順>
- フジッリを茹でる
- フライパンにオリーブ油をひき、バターとゴルゴンゾーラチーズ、生クリームを弱火で少し煮る
- 茹でたフジッリの水気をしっかりときり、②に入れて全体的によく絡める
- 塩・黒こしょうで味を調え、ベビーリーフを好きなだけ添えたら完成
お好みで、ベーコンやしめじなどキノコ類を加えると、ボリュームや彩りもさらに加わっておすすめ。その際には、②の工程で、最初にベーコンとキノコ類を軽く炒めた後に、チーズや生クリームを合わせて煮ると良いです。また、仕上げに粉チーズなどをふりかけると、よりチーズの味がしっかりと感じられて美味しいでしょう。
家庭菜園で秋・冬野菜を育て、彩りを食卓に
初心者でも、家庭菜園で育てられる秋・冬野菜はたくさんあります。簡単に育てられる秋・冬野菜から挑戦し、徐々に種類を増やすのも良いでしょう。家庭菜園を楽しみ、自分で育てた野菜で食卓を彩ってくださいね。