シックな色合いを楽しむ秋の植物

秋に咲く花は小ぶりでシックな色合いのものが多く、季節の移ろいをお庭に演出してくれます。今回は、秋のガーデニングを楽しむための初心者にも育てやすい秋咲きの植物を紹介します。また、秋に植えると春先に楽しめる球根も紹介。秋のガーデニングのお手入れポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

関連キーワード:

秋の植物の魅力

秋はオレンジやボルドーなどシックで深く華やかな植物の色が楽しめる季節。季節を感じながらガーデニングを楽しめます。

秋の花は小ぶりで色合いが美しい

春はパステルカラー、夏はビタミンカラーなど色鮮やかな花が多いですが、秋は落ち着いたオレンジやボルドーなどシックな色の花が楽しめる季節です。また秋の植物の花は小ぶりで、形の整っているものが多いのも特徴です。1つの鉢に複数の種類を植える寄せ植えにもおすすめ。美しい色合いと一緒に秋の風情を感じられるでしょう。

ドライフラワーにして長く楽しめる花が多い

秋に咲く千日紅やブルーサルビアなどは花を楽しんだ後、ドライフラワーにアレンジすることもできます。ドライフラワーにするには冬の乾燥した空気がぴったりです。

秋のガーデニングにおすすめの植物

秋に花を咲かせるおすすめの植物はたくさんありますが、その中でも特におすすめの秋らしい植物を紹介します。どれも初心者向けの育てやすい植物なので、ぜひ参考にしてみてください。

ネリネ

ネリネは花びらに光が当たると金属の光沢のように輝くので、別名ダイヤモンドリリーと呼ばれています。球根植物で、鉢植えの方が向いています。花の色は、ピンク・赤・白などさまざまです。開花時期は11月頃で花もちも良く、1ヵ月程度花の姿を楽しめるでしょう。また、ネリネのような球根植物は、翌年の成長に必要な養分を蓄えるため何年も楽しめます。

シコンノボタン

シコンノボタンの花は、1日で枯れてしまう一日花ですが、鮮やかな濃い紫色の花を次々と咲かせるため、長い間楽しめる花です。開花時期は8月~12月。霜に弱いので、冬の間は鉢植えを軒下か室内に入れておくと、越冬して翌年も楽しめます。

マーガレットコスモス

マーガレットコスモスはキク科の花で、多年草として何年も楽しめ、年月が経つと茎が緑ではなく木化して硬くなる花です。生命力が強く、病害虫にも強いため育てやすいでしょう。花の色は黄色のみで、開花時期は5月~12月ととても長く楽しめます。丈が1メートルほどになるので、花の少ない時期に剪定すると良いです。

オキザリス

オキザリスは球根植物で、太陽に当たるように花が咲き、曇天や雨だと花がかたく閉じます。花色や品種も豊富なので、ピンクや白、紫、オレンジなど複数の色を植えるのも楽しいでしょう。春咲き、夏咲き、秋咲き、冬咲きなど種類によって開花時期が異なるので、確認して植えてください。病害虫に強く丈夫な植物なので、初心者でも扱いやすいです。

サルビア

サルビアは青や赤など多様な色の種類があり、アメジストセージと呼ばれる種類は丈が1.5メートルにもなります。開花時期は初夏~秋と、長い間花を咲かせて楽しめます。病害虫に強く、育てやすい反面、水はけが悪いと根が腐るので注意が必要です。

秋の植物のお手入れポイント

秋は紅葉が綺麗ですが、落ち葉も多い季節。秋のガーデニングをする際には、落ち葉や寒さの対策が必要です。ここでは、秋の植物を育てる際のお手入れポイントを紹介します。

花がらはこまめに摘み取る

花がらとは、咲き終わって枯れた花のことです。秋に限らず、花がらはこまめに摘み取りましょう。花がらを枯れたままそのままにしておくと、落ちた花がらが腐って病気の原因になったり、種ができることで花の栄養が取られて花つきが悪くなったりします。

落ち葉の掃除をする

秋は紅葉と落葉の季節でもあります。ガーデニングを楽しむ庭に落ち葉が溜まらないように、こまめに掃除をしましょう。落ち葉が溜まるとそこに病原菌が繁殖しやすくなり、庭の植物に影響が出る可能性があるためです。落ち葉の裏に虫の卵が付いている場合もあるので、庭を清潔に保つためにもこまめな掃除を心がけてください。

寒さ対策をする

秋は日中は暖かくても朝晩は冷え込み、霜が降りることがあります。耐寒性のない植物は、シモヤケを起こしてしまい、枯れてしまうことも。鉢植えなら11月頃からは室内に移動させておくと安心です。庭上なら、根元にわらなどを敷いて、地面を保温するなど寒さ対策をすると良いでしょう。

秋は春咲きの原種系球根の準備にもおすすめ

秋は、チューリップなど春先の球根植物の準備にも適した季節です。一般的な球根植物は1年ごとに掘り返すなど手間がかかりますが、原種のものならそのままでも数年花を咲かせてくれます。ここでは原種植物の基礎知識や、おすすめの原種系球根を紹介します。

原種系球根なら翌年も花を楽しめる

春に咲く球根の花は、秋の季節に植え付けると良いです。一般的に見かけるチューリップやスイセンなどの球根植物は、大きく見栄えが良くなるように品種改良されているため病気に弱く、花が咲き終わったら球根を掘り返さないといけません。そこでおすすめなのが原種系の球根です。

原種とは、もともと野山に咲く強い球根なので病気になりにくく、球根を掘り返さなくても越冬して、どんどん株を増やしていきます。原種の花は小ぶりなものが多く、花が咲くと野山に咲く素朴な花々を連想させる可憐なものが多いです。球根をばらまいて植えると自然に生えているように見えて、庭を効果的に演出してくれます。

おすすめの原種系球根:原種チューリップ

原種チューリップは9月下旬ごろから植え付けの準備をし、開花は3月頃です。一度植えれば、通常次の年も花を咲かせてくれますが、茎や葉などが込み合って来たら株分けした方が良いでしょう。

白・ピンク・紫など、豊富な原種チューリップの種類があります。朝になると花が開き、日が落ちるまで咲いているため、1日中花の姿を楽しめるでしょう。一般のチューリップより小ぶりですが、野性味のある雰囲気を持っています。

おすすめの原種系球根:シラー

シラーはベル状に咲く清楚な花の姿が特徴で、ブルー系が良く出回っています。まるで早春の庭に青い妖精がやってきたような、やわらかい雰囲気を持っています。世界には100種類以上もの原種があるとも言われています。9月中旬頃から植え付けをすると、3月初めには花が咲き、次の年も花を楽しめるでしょう。

秋は小ぶりで美しい花を愛でながら春の準備を

暑さが収まり、過ごしやすい季節の秋は、ガーデニングもしやすい季節です。秋に花を咲かせる植物は、美しい秋色の小ぶりな花が多く、秋の雰囲気を楽しめます。また、秋は翌年の春に花を咲かせる球根植物の準備をする季節でもあります。初心者には、品種改良された一般の球根ではなく、原種系球根が育てやすくおすすめです。秋ならではのガーデニングを楽しんでください。