植物の水やりー基本を徹底解説

最近ガーデニングを始めたばかりの人の中には「何となく水やりをしている」という人もいるのではないでしょうか。植物の生長に水は欠かせないものですが、正しい水やりをしないと花が枯れてしまう可能性があります。本記事では水やり方法を基本と季節別、状況別に解説します。合わせて根腐れしたときの対処法や、水やりを楽にできる便利グッズも紹介するので参考にしてくださいね。

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植物を育てるのに水やりが必要な理由

植物は水分がないと生長できないため、水やりが欠かせません。しかし、気温や季節、植物の種類、植えるタイミングに応じて適切な水やりを行わないと、植物の生長を妨げてしまいます。

基本的な水やり方法

水やりにはタイミングや量など、押さえておきたい基本的なポイントがあります。こちらでは基本的な水やり方法を解説します。ガーデニング初心者の人は必ずチェックしておきましょう。

土の表面が乾いてから水をたっぷりあげる

基本的な水やりは、土の表面が乾いてから行います。目視で乾いているか分からない場合は、土を触って確認してください。さらっとしていれば乾いている状態です。

また、水やりをすると土の中の水分や空気が新しいものに入れ替わります。そうすると、植物が栄養を吸収しやすくなります。ポイントは、やさしい水流で何回かに分けて土の表面にたっぷりあげること。葉や花が濡れたままになると、病気や葉がしおれる原因になるので注意が必要です。

朝に水やりをするのが最適

植物は光合成を行うときに水を必要とするため、朝に水やりをするのが最適です。「朝は忙しくて時間がない」という場合は、夕方でも大丈夫。ただし、夜の水やりは控えましょう。葉が濡れたままの状態になりやすく、病害虫が繁殖する可能性があります。

室内の植物の水やりも基本は同じ

室内で育てている植物の水やりも、土が乾いてから行います。しかし、室内は外と比べて土の乾きが遅くなります。土がまだ湿っているときは、葉に霧吹きで水をかけてあげると良いでしょう。

夏場も土が湿っていれば、毎日しなくて大丈夫ですが、冬場の室内は、暖房器具の使用などで乾燥しやすいため注意が必要です。

季節別の水やり方法

水やりの基本は土が乾いてから行うことですが、季節ごとに少し工夫が必要です。こちらでは、季節別の水やり方法を解説します。

春|3月~5月

春は気温が暖かくなる5月頃から、土が乾きやすく水やりが必要になる日が増えてくるでしょう。

春の初め頃は夕方の気温が低いため、夜になっても水分が乾かず植物が凍ってしまうことがあります。そのため、水やりの時間帯は午前中が最適です。

夏|6月~8月

夏は土の乾燥が早いため、毎日水やりが必要になることもあります。梅雨の時期は湿気が多いので、必ず土が乾いてから水やりをしましょう。

夏の気温が高くなる時間帯は土の中の温度が上昇するため、水やりをすると根がダメージを受けやすくなります。そのため、日中の水やりは避け、午前中に終わらせることをおすすめします。

秋|9月~11月

秋は寒くなってきたら、夕方の水やりをしないようします。また、秋は一年草や多年草の根が生長しやすい時期。水切れしないように気を付けてくださいね。

冬|12月~2月

冬は夕方になると気温が下がり、根まで凍りやすくなるため、水やりは朝のうちにしましょう。

こんなときどうしたら良い? シーン別の水やり方法

長期旅行などで、水やりできない日もあるでしょう。また、雨が降ったときなど、どうすれば良いか困ってしまいますよね。ここでは、シーン別の水やり方法をいくつか解説します。

長期旅行で家をあけるとき

長期旅行で不在にするときは、アイテムを使用するのがおすすめです。給水ボトルは付属のボトルに水を入れ、土に挿すとじわじわと水やりをしてくれます。水の量を調整できるものや、100円ショップで購入できる、ペットボトルに装着する器具など便利なものもあります。容器の大きさによって給水日数が異なるので購入前に確認しましょう。使用時にはしっかり水が出ているか確認しておくと安心です。

もし帰宅後して植物に元気がない場合、水やりを再開すれば復活する可能性もあるので、しっかりと水やりをしてください。

雨が降ったとき

雨が降ったのが短時間であれば土を触って確認し、表面しか濡れていない場合は水やりをしてください。ただし、土の中まで水が浸透していれば、水やりの必要はありません。

苗を植え替えしたとき

苗を植え替えしたときは、たっぷり水をあげます。鉢底からしっかり水が流れ出てくるまで、何回かに分けて繰り返し行うのがポイントです。根付くまでは水切れに注意しながら、植物の状態に合わせて水やりをしてくださいね。

鉢にたっぷり水やりをしたとき

鉢にたっぷりと水やりをしたときに、鉢の下の受け皿にたまった水は、捨てて清潔にしておきましょう。そのままにしておくと根腐れを起こす可能性があります。

水やりで根腐れする原因と対処方法

植物に水をあげすぎると根腐れしてしまうことがありますが、すぐに対処すれば植物が元気になる可能性があります。ここでは根腐れの原因と対処方法を解説します。

根腐れの原因は水のあげすぎ

水のあげすぎは植物が根腐れを起こす原因になります。植物は根腐れすると、栄養や酸素を吸収できません。健康な根は白色ですが、根腐れすると黒色になり、葉が茶色や黄色になるなどの症状もあらわれます。根腐れを防ぐには「土が乾いてから水やりをする」といった、正しいやり方を守ることが大切です。

根腐れしたときの対処方法

根腐れしたときは早めに植え替えをするのが最適です。

【植え替えの手順】

  1. 根についた土をやさしく丁寧にほぐしながら落とす。
  2. 根腐れした根はハサミでカットする。
  3. 根とのバランスを見ながら葉や茎も切って整える。
  4. 清潔な鉢に新しい土(植物が好む土がおすすめ)を入れる。
  5. 植物を植える。
  6. 新しい芽が出るまで明るめの日陰で育て、水やりは控える。

水やりに役立つ便利なアイテム

ガーデニング初心者の人はアイテムを使うと、土の乾き具合の判断や水やりが楽です。こちらでは、水やりに役立つ便利なアイテムを紹介するので、ぜひ取り入れてみてください。

水やりのタイミングが分かる土壌水分計

土壌水分計とは土の中の水分を計るアイテムです。電池不要で、土に挿しておくだけで中の水分量が一目で分かる手軽なものもあり、水やりのタイミングが分かりやすく便利です。ホームセンターや100円ショップ、通販などで購入できます。

手元で水圧が調整できる散水ホース

庭の植物に水やりをする場合は、散水ホースを使うと楽にできます。なかでも、手元で水圧を調節できるタイプがおすすめ。ホースの長さは蛇口から庭の1番端までの距離に余裕を持たせると良いです。ホースを巻き取って収納するリール式のものは片付けも楽です。

正しい水やりをマスターしてガーデニングを楽しもう

植物を育てるときは、水やりの基本である「土が乾いてからたっぷりと水をあげる」を心がけることが大切です。あとは季節や状況に合わせて正しく行ってください。

最初のうちは慣れなくても、徐々に土や植物の状態を見れば分かるようになってきます。また、育てるうちに植物に対しても愛着が湧いてくるでしょう。正しい水やりをするとともに、植物の生長を楽しんでくださいね。