涼しさを感じる夏の植物

1年で最も日差しが降り注ぐ夏は、多くの植物が成長期を迎えるシーズンです。この記事では夏のガーデニングにおすすめしたい植物や、毎年夏に楽しめる多年草を紹介。水やりのコツや過度な日差しへの対策など、夏に植物を元気に育てるためのポイントも解説します。夏のガーデニングを楽しむために、参考にしてください。

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夏のガーデニングのお手入れのポイント

夏は植物が著しく成長する時期ですが、強すぎる日差しや高すぎる気温は植物にダメージを与えるという問題点も。そういった課題と向き合い、植物を元気に育てるためのお手入れのポイントを紹介します。

水やりは土の表面が乾いたらたっぷりとやる

基本的には、土の表面が乾いた時が水やりのタイミングです。たっぷりと水を与えましょう。ただし、昼間に土が乾いてしまった場合は、気温が高い時間を避けて水やりをします。昼間の暑い時間帯の水やりは、温まった水が植物や根を痛めることになりかねないからです。

ちなみにホースで水やりをする場合は、日中ホース内の水が温まってお湯のようになっていることがあるので注意が必要です。

過度な直射日光を避ける

日差しに強い植物でも、最近の夏の異常な暑さでぐったりしたり、強い日差しを受け葉焼けを起こしたりすることも珍しくありません。特に葉が薄い植物や日陰性の植物、日陰で育てていた観葉植物などは、長時間強い日光に晒すと葉がダメージを受け変色します。

庭に植物を植える場合、植物の生育には午前中の日差しだけで十分です。ベランダでプランターに植えて育てる場合も同様です。午前中は日向に置いておき、午後には日陰に移動させるのも良いでしょう。
移動できないものは、日よけ用の不織布などを活用するのがおすすめです。また、強すぎる西日にも気をつけてください。

照り返し対策をする

暑さに強い植物も、夜間は涼しい方が消耗が少なくダメージを修復できます。しかし、アスファルト・コンクリートの照り返しや輻射熱により、夜まで暑さが続く場合も。道路からくる地熱や壁などの照り返しで、熱がこもることもあります。熱を逃すためには、人工芝や使わなくなったカーペットを敷いたり、壁面につる植物をからませたりして対策をしましょう。

またプランターの場合は、下に花台やすのこを敷いて空気の通り道を作ると、熱がこもりにくくなります。周囲の温度を下げるため、打ち水をするのも良いでしょう。水が蒸発するときに、熱も一緒に取ってくれます。

【一年草】夏におすすめの植物

ここでは、夏におすすめの一年草を紹介します。ガーデニング初心者でも育てやすく、日差しに強いおすすめの植物です。

ペチュニア

本来は多年草ですが、冬の寒さに耐えられないため日本では一年草として扱われているペチュニア。品種がとても多く、さまざまな花の色や柄があります。咲き方も一重咲き・八重咲き、花の大きさも大輪・小輪など、バリエーションが豊かです。

日当たりが良く風通しの良い場所を好む植物で、成長がとても速く次々に開花するため、追肥は欠かせません。枝が伸びてきたら切り戻しをすると、まとまりの良い形となり花束のような印象になります。

ヘチマ

食用の他、たわし作りやへちま水にも用いられるヘチマ。ヒョウタンやカボチャと同様に、夏場の強い日差しを避けるための日よけ棚としても活躍します。食用ならば着果から10日~14日が収穫どき(20センチ~30センチのサイズが目安)です。たわしとして使うなら、熟した後の9月~10月頃に、乾燥して茶色く軽くなったものを収穫してください。

インパチェンス

原産国が暖かい地域であるため、夏の高温多湿の気候を好むインパチェンス。ペチュニアと同様に、本来は多年草ですが、寒さに弱いため日本では一年草として扱われています。

赤やピンクなどの鮮やかな色の花や、ピンクと白の2色柄の花もあり、夏の庭に彩り添えます。成長が早く、切り戻すことでどんどん花が咲くため、ハンギングバスケットなどにするのもおすすめです。追肥を行うことを忘れないようにしましょう。

ケイトウ

花の先端が細長くニワトリのトサカのような形をしていることから、ケイトウ(鶏頭)と呼ばれています。赤、ピンク、黄色、オレンジと、鮮やかな色の花を咲かせます。暑さに強く寒さに弱い熱帯地方原産の植物なので、日本の夏の環境下でも元気に育つのが特徴。

涼しい時間帯にたっぷりと水やりをするのがケイトウを育てるコツです。開花時期は7月~11月頃です。

【多年草】夏におすすめの植物

一度植えると、翌年も開花を楽しめる多年草はガーデニング初心者におすすめです。夏に開花を楽しめる多年草を紹介します。

アガパンサス

街中や公園などの花壇の植え込みでもおなじみのアガパンサス。南アフリカ原産で、日差しや暑さに強く丈夫な植物です。放射状に伸びた葉の先端に涼しげな青紫や白の小ぶりな花が密集しており、まるで花火のような美しさです。小さなユリのような花がたくさん付くことから、英語ではアフリカンリリーと呼ばれます。5月下旬~8月上旬頃が開花時期です。

エキナセア

キク科の植物で、鉢植えでも地植えでも育てやすいエキナセア。黄色やピンク、紫など花の色がカラフルで美しいです。開花時期は6月~10月頃です。風通しが良く、日当たりの良い場所を好みます。

本来はハーブに分類される品種で、昔は薬として用いられていました。近年園芸用として販売されているものは基本的に鑑賞用なので、ハーブとして用いたい場合はハーブショップなどで購入しましょう。

ゼラニウム

色とりどりの花が美しいゼラニウム。香りが良く、花が長続きする植物です。南アフリカ原産で寒さには弱いですが、温かな気候の地域では長い間開花時期を楽しめます。星形やボール状の小花など、品種により花の形もさまざまです。寄せ植えにも適しており、成長とともに一回り大きな鉢に植え替えすると、より長く楽しめます。

夏の植物を適切に育て、庭を鮮やかに彩ろう

夏の植物はバリエーション豊かで、初心者にも育てやすいものがたくさんあります。気温が高く日差しの強い夏ならではのガーデニングのポイントを押さえて、庭の植物を元気に美しく育てましょう。