フローリングの樹種紹介

自然の温かみが感じられる無垢フローリング。選ぶ樹種によって、見た目の印象はもちろんのこと機能性も大きく異なります。ここでは、見た目の良さはさることながら、材質が比較的硬くキズがつきにくい特徴があるフローリングの樹種を紹介します。それぞれの特徴とフローリング材としての魅力を解説しますので、床材選びの参考にしてください。

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インテリアになじみやすい「オーク」

ヨーロッパで特にメジャーな広葉樹を代表する樹木である「オーク」。その特徴とフローリング材としての魅力を解説します。

オークとは

  • 主な生育域:北半球の亜熱帯から温帯にかけて幅広く分布
  • 主な用途:床材、建具、家具など
  • 種目:ブナ科広葉樹

「オーク」は堂々とした風格がただよう樹木です。古くからヨーロッパ各地では神聖な樹としてあがめられ、長寿や不死のシンボルとして扱われてきました。特にイギリスでは「キング・オブ・フォレスト(森の王)」と呼ばれています。

オークの特徴・魅力

木目のグラデーションが力強く美しいことで知られる「オーク」。家具やインテリアになじみやすい、落ち着きのある色合いが特徴です。時が経つにつれて、風合いが深まっていくのも魅力。耐久性が高く、フローリングや家具材として多く活用されています。

高級木材とされる「ジャパニーズオーク」

「ジャパニーズオーク」と呼ばれる国内産のオークは、高級木材として海外に輸出されています。

ジャパニーズオークとは

  • 主な生育域:日本
  • 主な用途:床材、ウイスキーの醸造樽など
  • 種目:ブナ科広葉樹

「ジャパニーズオーク」は、主に北海道で生育する樹木です。製品にするためには、水分や養分を多く含み変色しやすい春と夏を避け、寒さの厳しい冬期に切り出されます。

ジャパニーズオークの特徴・魅力

ナラの中でも銘木と呼ばれる「ジャパニーズオーク」。落ち着きの感じられる木目、くっきり見える節、経年とともに深まる色合いが魅力です。和・洋問わず、どんなインテリアにもなじみます。

高級感がある「マホガニー」

「マホガニー」は、高級感溢れる上質な樹木です。

マホガニーとは

  • 主な生育域:中南米の広い範囲に分布
  • 主な用途:床材、高級家具、彫刻の材料など
  • 種目:センダン科広葉樹

「マホガニー」は、「ウォルナット」と「チーク」とともに「世界三大銘木」と称される名高い樹木です。大きいものだと樹高45メートルほどになり、堂々とした威厳が感じられる木です。

マホガニーの特徴・魅力

つやがあり黄金色の輝きを放つ高級感のある材木「マホガニー」。縞模様の木目が美しく、年月とともに濃淡が強まり、味わい深くなります。耐久性があり、腐りにくく丈夫なのも特徴。加工しやすいため、家具、楽器、彫刻など高級なものの材料として幅広く使用されています。

深く味わい深い色を持つ「ウォルナット」

深みのある色合いとつやが魅力の「ウォルナット」。その魅力を紹介します。

ウォルナットとは

  • 主な生育域:ヨーロッパ南東部から東南アジアおよび日本、南北アメリカなど
  • 主な用途:床材、建具、高級家具、楽器など
  • 種目:クルミ科広葉樹

「チーク」「マホガニー」と並ぶ「世界三大銘木」として知られる「ウォルナット」。灰色がかった樹皮が特徴で、シックな雰囲気ただよう樹木です。

ウォルナットの特徴・魅力

重厚で深みのあるダークな色合いの「ウォルナット」。欧米では主流の材木で、内装や家具、楽器など多用途で用いられています。堅い材質で耐衝撃性があるので、フローリングにも適しています。ダークトーンの床が、空間を引き締めてくれるでしょう。経年変化も楽しめる材木のため、さまざまな表情を見せてくれます。

暖かみがあり高級感ただよう「チーク」

「チーク」は世界の銘木と評され、さまざまな用途で重宝されています。

チークとは

  • 主な生育域:東南アジアの熱帯地方、インドなど
  • 主な用途:床材、内装材、家具など
  • 種目:クマツヅラ科広葉樹

「ウォールナット」「マホガニー」と並んで「世界の三大銘木」として知られています。長さ約30〜60センチほどの大きな卵型の葉が特徴の樹木です。

「チーク」の特徴・魅力

オレンジよりの温かみのある色で、しっとりとした光沢を放つ「チーク」は、重厚感に加え、気品が感じられます。木目が詰まっているので硬くて傷がつきにくく、耐久性に優れています。湿気に強く、酸化や腐食への耐性があり、虫害にも強い素材です。適度な弾力性があり、素足で歩いた時に心地良さを感じられるでしょう。時が経つにつれ色濃くなる風合いも楽しめます。

硬くてつやのある「チェリー」

「チェリー」もまた経年変化が魅力の高級樹木です。優しい光沢がチェリーならではの風合いを醸し出します。

チェリーとは

  • 主な生育域:北米北東部ほか、北半球の温暖な地域
  • 主な用途:床材、階段などの建具、家具、楽器など
  • 種目:バラ科広葉樹

「チェリー」はバラ科に分類され、日本人になじみの深い「サクラ」と同じサクラ属の樹木。なかでも「ブラックチェリー」は主に北米に生育し、日本の「サクラ」よりもずっと大きいです。高さは15〜30メートルにもなり、森の中で堂々とした佇まいを見せています。

チェリーの特徴・魅力

「チェリー」は、淡く赤みを帯びた色合いが特徴。きめが細かくなめらかで、肌触りが良い樹木です。磨くことで光沢感が増し、やがて金色の光沢を帯びた色味に変化します。同じ木から製材しても木目や色合いなどが異なり、その微妙な違いを楽しめます。他の広葉樹に比べて膨張・伸縮が少なく、安定した加工が可能です。硬質で摩耗しにくいため、ダンスフロアーなどの床にも使われます。

白くて美しい木目が特徴の「メイプル」

「メイプル」は、美しい木目が魅力の広葉樹。特徴とフローリング材としての魅力について紹介します。

メイプルとは

  • 主な生育域:日本、北米、ヨーロッパ、西アジア、中国、東南アジアなど
  • 主な用途:床材、建具、家具、楽器、運動具など
  • 種目:カエデ科広葉樹

「メイプル」は、日本では「カエデ」や「モミジ」として知られています。特徴的な形の葉が特徴で、秋には紅葉し、美しい姿が見られます。

メイプルの特徴・魅力

「メイプル」は、なめらかで白い木肌と絹のような光沢で、家全体を明るく彩ります。経年変化でやがて飴色へと変化していくのもこの樹木の特徴。光沢があり、太陽や照明の光を受けることで違った印象を与えてくれます。傷のつきにくい硬い材質ですが、適度な弾力を持つため、素足で歩いた時も気持ちが良い樹木です。

樹種の特徴と魅力を知り、理想の住まいを造ろう

フローリングにおすすめの樹種は幅広く存在しますが、それぞれに異なる特徴や魅力があります。無垢フローリングは使い続けていく中で変化を楽しめるもの。樹種ごとの違いを知った上で、理想の空間のためのフローリング材を選んでください。