無垢・木質フローリングの特徴

木質フローリングは、大きく2種類に分かれます。
1つは、1種類の無垢材のみの単層(一枚板)で仕上げられた無垢フローリング。もう1つは、基材となる合板の上に木材を薄くそいだ板(単板)を張り合わせた複合(複層)フローリングです。
複合フローリングには、単板の種類によって、挽板フローリングや突板フローリングと呼ばれるものがあります。

関連キーワード:

無垢フローリングの特徴

無垢ならではの風合いがあり、経年変化によって深みのある艶が現れてくるのが特徴です。
無垢材は、フロア材になってからも呼吸をし続けます。空気中の湿度が高いと湿気を吸収して伸び、乾燥すると湿気をはき出して縮む性質があり、室内の湿度を一定に保つ役割も果たしています。
そのため、湿気の多い季節には、フロアが伸びて継ぎ目部分が突き上がったり、乾燥する季節には、継ぎ目部分に若干のすき間ができることがあります。また、板の継ぎ目部分がすれて音が発生することもあります(床鳴り)。

無垢フローリングは、木材の天然の風合いや質感をできるだけ大切にするため、一般的な複合フローリングに比べて色調に多様性があります。
以前は、無垢材は湿度変化による伸び縮みがあるため、床暖房に対応していませんでしたが、現在では、床暖房に対応する無垢フローリングも増えています。

ウイスキー樽から生まれる無垢フローリング

長年ウイスキー樽に使用されたホワイトオークを無垢フローリングとして再生。四樽から一坪半ほどしか採れない貴重な床材です。その深みのある風合い、格調高い風格は、長い歳月を経たオークでしか生み出せないものです。

ホワイトオークでつくられたウイスキー樽。

樽を解体して側板をバラバラにします。

解体直後の側板は曲がっています。

特殊な方法でまっすぐに伸ばした側板を乾燥させます。

焦がされた側板の表面を削ります。

良質な部分を削り出し、接着、形状加工します。

突板(つきいた)フローリングの特徴

突板とは、木材を薄くスライスしたもので、これを合板の基材の上に貼り合わせたものが突板フローリングです。
突板フローリングは無垢フローリングに比べて、精度の均一化が図りやすいのが特徴です。
また、基材と突板の間に特殊な繊維板を挟んだり表面塗装を施すことで、耐凹み性をアップさせ、キャスター付き家具の使用や、食器などが落下しても凹みキズがつきにくくした製品など、銘木の美しい木目を活かしながら、機能性を高めたフローリングもあります。

挽板(ひきいた)フローリングの特徴

挽板とは、ノコギリなどで挽いて切った板のことで、突板(0.3mm程度)よりも厚めの木材(1mm~2mm程度)です。この挽板を合板の基材の上に貼ったものが挽板フローリングです。
無垢材を贅沢に使った挽板フローリングは、天然木の風合いがそのまま生きています。

無垢フローリングと比べた場合、基材が合板であるため、木の反りや収縮などの変形が少ないのが特徴です。
表面が無垢材なので、無垢フローリング同様に、オイル仕上げの床や、表面に凹凸をつけた「なぐり調」のフローリングなどもあります。

  • 2017年7月18日まで、挽板の厚みを10mm~20mm程度と記載しておりましたが、正しくは1mm~2mm程度の誤りでした。誤りを 訂正するとともに、お詫び申し上げます。

木質フローリングならではの特徴

天然木を使用した木質フローリングは、同じ木であっても、木目や色味など一つとして同じものがなく、その個性こそが魅力・味わいとなります。
例えば、木の年輪は、一見すると規則正しい模様に見えますが、年ごとの気候などの影響で生長量が微妙に変化するため、各年の幅に差が生じます。この自然がつくり出す均等ではない木目模様のパターンは、「1/f ゆらぎ」とも言われ、人の心に安らぎを与えてくれる効果があるといわれています。
その他、節や入り皮、木目の曲がりや逆目なども、自然素材ならではの表情です。そこには、人と同じように命を持って生きてきた樹木の軌跡があります。

枝が、成長した幹に巻き込まれた部分です。

オーク

ハードメイプル

ビーチ

ブラックチェリー

入り皮

傷ついた樹皮が巻き込まれた部分です。

オーク

ブラックチェリー

てり

木肌の光沢です。木材を形成する細胞の方向性の違いから生じます。

シカモア

ハードメイプル

シュガー筋

樹液成分が筋状や点状に現れるもので、ハードメイプルなどで見られます。

ハードメイプル

やに(すじ・つぼ)

樹液が細胞の空隙にたまっているものが「やにつぼ」。これが集まって線状に見えるのが「やにすじ」です。

オーク

ビーチ

ブラックチェリー

金筋(きんすじ)

鉱物質が混入し、筋状に堆積したものです。

ハードメイプル

虎斑(とらふ)

ナラやオークなどブナ科に見られる模様で、虎の縞模様に似た幅広の班模様。立ち木のときに養分貯蔵の役割を担っていた細胞の跡です。

オーク

縮み杢(もく)

木目が波状に縮んでしわが寄ったように見える模様。バイオリンなどの甲板としても重宝されます。

ハードメイプル

鳥眼杢(ちょうがんもく)

小鳥の目のような小さな円形の斑点。板にたくさん散らばって現れます。

ハードメイプル

色・柄の個性

同じ木でも、ピースごとに色の濃淡や柄が異なり、個性豊かな表情となります。

オーク

ビーチ

ブラックウォルナット

ワックスなど、フローリングのお手入れアイテムのご購入はオンラインショップへ