庭木の剪定のコツ
庭木に行う剪定は、木を美しく大きく育てるために必要なお手入れです。初心者でも剪定を行うことはできますが、正しい方法でやらないと木を傷つけてしまったり、生長へ悪影響を与えたりしてしまうことも。本記事では、剪定の基本と初心者でも失敗しないコツを解説します。剪定の正しい知識を身につけ、庭の木を美しく育てましょう。
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庭木の剪定について
剪定は、庭木のお手入れをする上で最も重要な作業です。剪定をすることで樹木の見栄えを良くするだけでなく、美しく健康に育てることができます。ここでは、剪定が必要な理由と行う時期について解説します。
庭木の剪定が必要な理由
剪定は、木を美しく健康に育てるために必要な作業です。混み入った枝葉を剪定によって透かすことで、日当たりや風通しが良くなり、枝や葉の枯れ、病虫害の発生を減らすことができます。
また、剪定を行うことで、木の高さや幹の太りなどをコントロールできます。株や根への負担が減り、栄養を効率的に行き渡らせるので、花や果実の数を増やせるでしょう。さらに、庭木の特徴的な枝葉を活かすことで、木の姿をより美しく見せられるのです。
庭木の剪定を行う時期
翌年の花を減らさないために、花木の剪定は来年の花芽が着く前にします。1年中葉をつけている常緑樹は、暖かくなり始めた4〜7月が最適。極寒期に剪定すると樹木全体が寒気にさらされ、春の芽吹きに影響を及ぼし、枯れてしまう可能性もあるので避けた方が無難です。
冬に葉を落とす落葉樹は12~2月に剪定をします。葉が落ちて枝ぶりが見える冬の休眠期なら、ダメージを与えることなく剪定できるでしょう。
基本の剪定方法
剪定には、大きく分けて透かし剪定と刈り込み剪定という2つの方法があります。それぞれ意味があるため、樹木に合わせて剪定方法を変えなくてはいけません。ここでは、剪定方法について紹介します。
生育環境が改善される透かし剪定
混み入った枝を切り落とすことを「透かす」と言います。この透かし剪定を行うと、日当たりや風通しが良くなり病害虫の被害が軽減され、養分が必要な部分に行き渡るので生育環境が改善されます。
見栄えを良くする刈り込み剪定
刈り込み剪定とは、生け垣など表面全体の新芽部分を刈り込み、見た目を整える方法です。刈り込みバサミなどを使って、四角形や丸など特定の形に仕立て、生け垣の美しい形を維持します。
刈り込み剪定は新芽の部分を切るため、切り口から枝分かれします。そのため、表面が均一で密になり、見栄えが良くなるでしょう。
不要枝の切り方
不要枝の切り方は、太さや芽などの場所によって異なります。誤った切り方をしてしまうと見栄えが悪くなるだけでなく、枯れてしまう可能性も。しっかりチェックして切り方をマスターしましょう。
太い枝の切り方
太い枝は3回に分けて切ると、切り口がきれいに仕上がります。
- 最終的に切りたい部分の少し先に、下方向から1/3ほど切り込みを入れる
- 1の位置より5センチほど先の位置に上方向から切り込みを入れる
- 枝の重さで自然と枝が折れるので、最終的に切りたい位置で切り落とす
細い枝の切り方
細い枝の場合は、最初から枝の付け根を切ります。枝の途中で切ってしまうと残った部分が枯れたり、切った部分から細かい枝がさまざまな方向へ分岐したりしてしまいます。樹形が乱れる可能性があるので、必ず◯印の下の部分で切るようにしましょう。
芽の切り方
芽を切る際は、伸びる方向に気を付けながら剪定をするのがポイント。例えば、1の位置で切ると「A」「B」の芽から交互に伸びていきます。3の位置で切ると外側に伸びるため、木の上部で葉が生い茂る部分である樹冠(じゅかん)が広がるでしょう。
反対に、2の位置で切ると、幹側に伸びてしまうため枝が混み合ってしまいます。
芽の上を長く残して切ると、枯れ枝部分が長くなるので、芽の少し上を、水平か少し斜めに切るようにすると問題なく剪定できるでしょう。
切り口へのケア方法
太い枝の切り口には、病原菌の侵入を防ぐために癒合剤(ゆごうざい)を塗りましょう。切り口の中心部から周縁部まで塗り残しがないように塗るのがポイントです。
剪定を行う際の準備と注意点
剪定を行う際、枝の太さや樹木に合わせたはさみを用意しましょう。他にもノコギリや脚立なども必要です。ここでは剪定に必要な道具や適した服装、注意点を紹介します。
剪定に必要な道具
【準備するもの】
- 剪定バサミ
- 植木バサミ
- 刈り込みバサミ
- 高枝切りバサミ
- ノコギリ
- 脚立
- 作業用手袋
- ゴミ袋
- ほうき
- 熊手
やや太い枝は剪定バサミ、混み入った部分の小枝は植木バサミを使用します。生け垣には刈り込みバサミ、手の届かない高い枝には高枝切りバサミを使うと良いでしょう。ノコギリは太い枝を切る時に必要ですが、不慣れな場合は軽量タイプがおすすめです。
剪定に適した服装
幹や枝が落下するため、頭を守るためにも帽子を被りましょう。また、枝などから体を守ったり虫に刺されたりしないように、シャツは長袖を着るのがおすすめです。動きやすいように、作業用ズボンと運動靴も着用しましょう。手袋は軍手でも良いですが、滑り止めのついた皮製の作業用手袋の方が安全です。
剪定を行う際の注意点
剪定をする際、蜂の巣や毒のある毛虫に注意しなくてはいけません。まずは地面を確認し、虫のフンが集まっていないかをチェックします。たくさんフンがある場合は、木に虫がいる可能性があるので熊手などで叩いて確認するようにしましょう。
また、足場が不安定だと転落事故が起きる可能性があります。風が強い日も危険ですので、十分に気を付けて剪定を行いましょう。
初心者でも失敗しない剪定のコツ
初心者が剪定を行う場合、どのように仕上げたいのかをイメージして不要な枝を見極めることが大切です。何も考えずに剪定をしてしまうとイメージ通りに仕上げられなかったり、切ってはいけない枝を切ってしまったりと失敗する可能性も。ここでは、初心者でも失敗しない剪定のコツを紹介します。
どのように仕上げたいのかイメージする
まずは目的とする高さや形をイメージします。初心者の場合は大きく樹形を変える剪定は難しいため、現在の形を活かしながら、枝をあまり切らなくても良さそうな形にすると良いでしょう。その際、木の全体を見ながらバランスを整えるようにするとイメージがしやすくなります。自然に生えている山の木やプロが剪定した後の形を手本にするのもおすすめです。
不要な枝を見極める
剪定では、手当たり次第に枝を切ってはいけません。切る枝を見極めることが大切です。まずは、枯れた枝や病気の枝を切ります。その後、他の枝に比べて極端に長い枝を切りましょう。
通常、枝は木の外側に向かって伸びていきます。そのため、内側に向かって伸びる枝や下側に伸びている枝、平行に伸びている枝などを剪定すると良いでしょう。
剪定後も手入れをする
剪定をした後は、しおれた花や枯れた葉を取り除きます。また、わき芽や不要なつぼみも取り除きましょう。そうすることによって害虫の予防と発見ができ、木も成長します。剪定後もしっかりお手入れをすることで、木をきれいに保てます。
剪定の基本を知り、庭木を美しく育てよう
剪定は基本やコツを把握すれば、初心者でも行うことが可能です。仕上がりの形や高さをイメージし、不要な枝を切っていくことでバランスの取れた樹木に仕上がるでしょう。剪定は樹木が美しく育つために大切な作業です。怪我には十分注意をし、剪定をしてみてください。
また、大事な庭木の剪定やお手入れは、プロに任せるのも手です。住友林業緑化にお気軽にご相談下さい。