常緑樹の低木、花木の剪定(花後剪定)
花が終わった後に行う刈り込み剪定 -サツキ編-
教えてくれるのは、友林業緑化・環境緑化事業部 大川 純子
今回は、花つきを優先する花木の剪定を、サツキを例に紹介します。
樹木は、花が咲いた後に、ある一定の限られた時期に次の花芽がつくられます。もし、花芽ができた後に、その部分を切り落としてしまったら、次の花は咲きません。そこで、花芽を落とさないためには、花の咲いている期間が終わってから、次の花芽ができるまでの間、つまり、まだ花芽ができていない時期に剪定します。これを花後剪定と言います。
サツキは5月から6月にかけて花を咲かせます。その花が終わったら、すぐに剪定しましょう。
剪定のポイント
今回紹介する仕立もの(玉づくり)のサツキの場合、表面全体の葉枝を刈り込みバサミを使って均一に切り詰める刈り込み剪定を行います。
刈り込みを行うことで、形がきれいに整えられて、大きさを一定に保つことができます。花芽ができる前に剪定することで、次も木全体にきれいに花を咲かせることができるでしょう。
ポイント1 刈り込み前に花がら摘みを
まず、剪定前に花がらや落ち葉、枯葉などを落とします。花がらなどをそのままにしておくと、カビなどが発生することがあるので、剪定しない場合でも、咲き終わった花がらの手入れをしましょう。
花がらは見た目もよくないので取り除きましょう。
花がらは手で摘むか、ほうきなどで振り落としてもかまいません。
ポイント2 側面の下部から刈り込み
低い玉づくりの刈り込みの場合、上面と側面のどちらから刈っても問題ありません。今回は、側面の下側から刈り込んでいきます。
刈り込みバサミは、柄に対して刃がわずかに上向きについています。切る場所によって、刃の向きを変えて使用します。
通常は柄の中ほどを持って脇を締め、片方の柄を動かすように使うと切る箇所が定まりやすいでしょう。
側面の下側を端の方から横に移動するように刈っていきます。刈り込みバサミを横にして、刃の向きを上向きにすると刈りやすいでしょう。
樹形の大きさをいつも一定に保つ場合は、前回剪定をした時から、育った分の枝葉を切り戻していきます。葉のない部分まで深く刈り込まないように注意しましょう。
周り全体を刈り込んでいきます。
下側を刈った後の様子。
ポイント3 曲面部分を刈り込み
次に、少し上の曲面部分を同様に周り全体を刈っていきます。この場合は、刃の向きを下側に持ち替えて、下から上に丸みを持たせて刈り込みつつ、横に移動していきます。
下から上へ刈り上げていきます。
ときどき後ろに下がって全体を眺めて、丸みのバランスを確認ながら刈りましょう。
きれいな丸みになってきました。
多少すき間がある部分も、徐々に枝葉が成長すると見栄え良くなるので問題ありません。
ポイント4 上面を刈り込んで完成
最後に、上面を刈り込んでいきます。この際も、ときどき後ろに下がって、全体のバランスを見るようにしましょう。
背が低い場合は刃を上向きに。刈りづらい場合は刃の上下の向きを変えてみましょう。
手前から奥に刈り、横に移動していきます。
今回は、サツキの真ん中に別の木を植えているので、その周りもきれいに整えて刈り込みは終了です。
刈り取った枝葉を落としてきれいに掃除します。
刈り取った枝葉を掃除すると、足元などに飛び出した枝葉があることも。
これらを剪定バサミできれいにカットして、剪定は完了です。
剪定完了!
咲いた後の枯れた花がらが目につき、ボサボサ感があったものが、形も整い少しコンパクトになりました。多少すき間がある部分も、日が当たり、風通しが良くなったので、徐々に枝葉が成長するでしょう。
花木の剪定は時期が重要です。お正月前などに、お庭の見栄えを良くしようと刈り込みをしてしまうと、せっかく出てきていた花芽がなくなってしまい、春になっても花が咲かないことがあります。花木の場合は、花の後、花芽が出る前に剪定しましょう。
※枝が見えやすいように画像処理しています。
※枝が見えやすいように画像処理しています。
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